神楽岡工作公司
JOURNAL
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2005年12月〜



 ■ 11月22日(土)
14
yamada
山田協太
井上氏と共に近江八幡へW.M.ヴォーリスの建築見学に行った。近江兄弟社学園を見学した後、旧ヴォーリス自邸であるヴォーリス記念館の簡単な実測をした。また、ヴォーリス設計の住宅に住む漆工芸家の杉本さんと偶然知り合いとなり、ご自宅の見学と実測をさせて頂いた。最後に現在改修中の旧郵便局の工事現場を見学させて頂き、非常に濃密な一日であった。
ヴォーリスの他にも、近江八幡は豊臣秀次が安土城の城下町を移転して新たに建設した城下町であり、多くの町家が軒を連ねる街並みは見物である。運河の街としても有名で江戸時代は堅田、大津と並ぶ琵琶湖の三大港であり、運河沿いに倉の建ち並ぶ姿が非常に印象的であった。瓦の産地であったことから明治以降は煉瓦も作られるようになり、貴重なホフマン釜も現存する。ここのレンガは東京駅駅舎建設にも用いられたという。ヴォーリスの建築にも焼成に失敗した破裂レンガが多用されている。その他朝鮮通信使の通った朝鮮人街道等々名所は多いが以下省略。
近江八幡は非常に興味深い街であり、見残したところも多いためもう一度行きたい所である。


19
inoue
井上大藏
山田氏と共に近江八幡に赴く。詳細は山田氏の記載ととおりである。
大阪でヴォーリズの建築展を見ていたので、かなり身近に感じられる楽しい訪問であった。
出会った人も、感じよく町の表情の一面をみたようで心地よかった。
僕の見た近江八幡の印象は、他の伝建地区にみられる様な大掛かりな観光化が進んでいない為の、落ち着いた雰囲気を感じられた事である。平成3年の指定から丸12年たつが、その意味においてもいい感じで控えめの良さが味わえる場所と言っていい。
目一杯、密度の濃いの訪問だった。行きつけてない所も多いので、再度赴く機会を持ちたいものだ。


 ■ 11月20日(木)
12
morita
森田一弥
 朝一番で、柳沢氏の手掛けているマンションの内装改修現場にお邪魔する。なかなかワイルドなコンクリートの躯体が現れていて、仕上がりが見当がつかない。唯一の仕上げらしい仕上げである土壁の表情がポイントになりそうな気がする。
 大工さんは「和知」の時と同じ大工さんで、若くてスピーディーな仕事をする人だ。てきぱきとしている上に、「くわえタバコ」で仕事をしていないのがいい。当たり前のようでいて、これができていない職人さんが多いんだよね。マクドナルドのアルバイトでさえ決して「くわえタバコ」で接客しないのを、建築屋はもっと見習った方がいい。
 「BARたかはし」の常連さんの紹介で韓国の慶州での建物の設計依頼があり、早速来月にも韓国に行くかも知れないのでずいぶん前に切れてしまったパスポートの申請に行った。まだ仕事を引き受けるかは分からないが、京都の呉服屋さんが立ち上げるブランドの関連施設らしい。以前のパスポートはいろんな国のスタンプだらけで、表紙の日の丸も剥げ落ちてしまっていてかなりの貫禄を醸し出していたが、また心機一転、真っさらのパスポートからの出発だ。
 韓国と日本をつなぐ建築プロジェクトというと真っ先に浮かんだのが千利休と秀吉のこと。千利休の「待庵」には、所々に韓国の民家のデザインが持ち込まれているという。しかし利休を登用した秀吉は朝鮮に攻め入り、各地の建築を破壊し、それをいさめた利休を最終的には切腹させてしまう。ちょっと怖いお話しを連想したが、実際、全くの異境での仕事ゆえ相当慎重に事を運ばねばならないだろう。
 ここしばらく仕事らしい仕事が出来ずにいたが、滋賀県志賀町のアトリエ増築の計画と西陣の隠居町家(?)改修+増築の計画も練りはじめなければいけない。しかし、気はあせるが体は一つ。一日は短い。
 


13
inoue
井上大藏
今日、具然にも同種類のメールを読んだ。
一つは上記の森田氏の文章。一つは私の個人メールにきた友人からの文章。
共に仕事関係のものだが、内容は正反対である。一人は海外へ。一人は、建築設計業からの転職も視野に入れた離職である。離職する友人は、単なる建築士ではない。僕と同様に「思う道」を進んできた男である。彼はその県で、「建築」内部でのその分野でホープである事に間違いなかった。
生業としてのこの分野は、若手にはかなり厳しいものである。
それだけ、「生活」という言葉の重さに対し「信念」を何処まで貫く事ができるであろうか?僕は「信念」の裏に「リスク」があると思っている。その「リスク」に対し「妥協」が存在している。妥協の表に、その妥協を受け入れるかどうかの「年令」が存在する。だから「信念」を持つ者に「年令」が上手にリンクした場合、「妥協」や「リスク」を感じる事ができる為、「生活」という言葉の重さに抗する事ができると思っている。・・・ただ、人には(抗するには)限界がある。僕は昨年それを観た。いずれ、文章に起こそうと思っていた矢先に今回のメールである。期は近付いたようだ。
二人は、共に私の大事な人でる。だからこの事で、私との関係は何ら変化をみない。


15
yamada
山田協太
精華大学図書館を訪れた。ここの図書館は全国でも珍しい大量のマンガの蔵書数を誇る。
“マンガに描かれた建築と都市”をテーマに、勉強会で用いる資料を収集しに行ったのだがついつい読みふけってしまった。恐るべし精華大図書館。


 ■ 11月18日(火)
11
inoue
井上大藏
「類は類を呼ぶ」と言うが、“ヘナモン”は“ヘナモン”を呼ぶようだ。
僕は、自身を時折冷めた目で見てしまう癖がある。古材の活動も、やはりその目で見ると、社会一般では、まだまだ“ヘナモン(?なもん)”と、言えなくもない。その意味で、私は“ヘナモン”である(笑)。最近、私と縁を持った“ヘナモン”衆の一人に、中国:四合院を日本に移築し保存しようとしている者がいる。日頃建築と全く縁の無い仕事をしているこの“ヘナモン”は、情熱家のお喋り。とても楽しい人物である。ただ計画性が薄いので、実現は遥か先だと思うがだけど本気のようだ。この“ヘナモン”との関係も、今後が楽しみである。


 ■ 11月17日(月)
8
yanagisawa
柳沢究
朝からマンションの現場へ。床も壁も下地はほぼ完了。今朝は床の仕上げ材となる吉野杉の源平(赤身と白身の混じったものをいう)縁甲板の搬入を手伝う。
一枚が4mあるもんで、エレベーターはもちろん階段も通らないから、外から窓づたいに4階まで引き上げる。作業中に材のささくれが手の皮に、ぐさりと1cm程ささる。大して痛くないので気にせず作業を続けようと思ったら、職人さん(注・女性)が「早く抜いたほうがいいよ。はい」と、ポケットからおもむろにカッターナイフ。とげ抜きとかじゃ、ないんですね…。ちょっとびっくり。作業が終わったらその人も、カッターでとげを切開・除去してました。さすが。


10
inoue
井上大藏
ちょっと、話の次元は変わるけど・・・ささくれが食い込んでほっておくと、自然に内部に取り込まれて入って行っちゃう。内部で肉を痛めたり、ささくれが腐っちまうと身を削除しないといけないらしい。だから、早く抜く方が無難だし、第一皮膚に近い為抜きやすい。
ちなみに私は、普通にカッターで「切開・削除」するよ。だって『とげ抜き』無いもん。浅い物なら『針』でヤッチマウ事もしばしば。ガキの頃からそうだった。ちょいとした「解体」気分ですな、これが。変わった意味で集中力が出るし、暇な時なら楽しさも感じるョ。


 ■ 11月16日(日)
7
yamada
山田協太
午前中は山科の古材バンクのストックヤードにて古材、古建具を購入。
当地にてバイトでお世話になったしっくい浅原の親方に偶然会い、近況報告。
午後はキャンパスプラザへ京都CDLの地区ビデオコンテストを見に行った。「未来へ架ける橋」がテーマの、京都の地域を題材とする映像作品のコンテストである。優勝賞金は何と30万円。全18作品で約4時間にわたる大上映会だった。
ドキュメンタリー、ドラマ、アーティスティックな作品、中には地域調査の目的と方法論を展開する作品もあった。視点、表現手法とも多彩であり、密度の濃い内容に驚かされた。
最後に受賞作を決定する審査が公開で行われ、白熱した議論が交わされたのが大変印象的である。


 ■ 11月12日(水)
5
inoue
井上大藏
先日、当初神楽岡メンバーとしての井上に声の掛かっていた、「食」を提供する草津の任意団体から電話を受ける。資金不足のため、活動そのものや運営方針、今後の店舗設計・施工に掛かる費用に今まで頭を痛めており、四苦八苦していた事のだが、一つの方向性が見えたようだ。
これによって、一段落着くので文章化しても差し支えないと判断する。ジャーナルで書く事は、日々の中での「記録(日記)」と考えているので、詳しくは文章に起こそうと思う。
・・・そう言えば「紀行」も未完だったな。連絡メールを書き終えたら、今夜「紀行」に取り掛かろう。今、13日午前0時。目指すは、一本目の仕上がり:午前3時30分くらいだな。


 ■ 11月5日(水)
6
yanagisawa
柳沢究
先月末に当HPあてに、石灰会社で働いている方から以下のような質問をメールで頂いた。
「木材などの着色の仕上げをする際に、柿の木などの木肌を仕上げる方法として、石灰を使うと柿木の色がきれいに仕上げるという噂を聞いたのですが、石灰を使うことによって、着色をする手法があるのでしょうか。私の考えでは、木材がアルカリで焼けてしまって、耐久性がなくなるのではないかと思っているのですが。」

…そんな仕上げあるとは、ついぞ聞いたことがない。消石灰(水酸化カルシウムCa(OH)2)にせよ、生石灰(酸化カルシウムCaO)にせよ、水に溶けば強力なアルカリ性だし、そんなのを木に塗ったらどうなるのか。悩んでも分からないので、最近お世話になっている「千本銘木」の中川さんに聞いてみた。

「『石灰』で柿の木を仕上げる・・・昔の加工ですね。数寄屋の大工さんならばするかもしれません。これは、北山杉の砂磨きと同じような感じといえば、わかりやすいでしょうか。細かい粒子で磨くということになるのですが、「石灰」の場合、つるつるになりすぎて木味がなくなることもあるようです。あと手間がかかるので、加工方法としては難しいのでしょうね。例えば、タモを石灰で磨いて桑のように仕上げるそうですが、それこそ木を熟知してないとできないそうで、技術の賜物なのだそうです。ウチの加工部職人から聞きました。独自の解釈があると思いますが・・・。」

さすが、の一言です。
なるほど溶液を塗るのではなく、磨き粉として使うらしい。いろいろな手法があるものだ。しかし「タモを石灰で磨いて桑のように仕上げる」とはすごいな。


 ■ 11月3日(月)
1
morita
森田一弥
 1,2,3日と滋賀県の守山市での大津磨き研究会に参加する。もちろん自分も鏝を持っての左官職人としての参加である。
 左官見習いの頃から大津磨きには何故か心惹かれるものがあり、ずいぶんいろんな資料を読んで研究した。一日の仕事が終わってから塗り始め、日付が変わる時刻までかかって仕上げるという練習も、よく「しっくい浅原」の仲間と競いながらやっていた。 光る泥団子づくりのサイト(http://www2.ocn.ne.jp/~tutimizu/ 必見!)では、大の大人が泥団子を光らせるのに試行錯誤する様が垣間見えてとても楽しい。同じく左官職人にも「光る壁」に魅せられて日々研究を怠らない輩がたくさん居るのである。
 大津磨き研究会はそんな輩が全国から集まって一堂に会する年に一度の場である。昨年、東京の萬年山青松寺で8.9×6.0mの超巨大藍色大津磨きを手掛けた小沼充氏も、スライド会でその時の施工方法を披露してくれた。自分もまた来年に向け、色々と秘策を練らなくては。


9
yanagisawa
柳沢究
前日の懇親会でお会いしたアイシオール(ここのHPはとても楽しい)のとよながさんから、大徳寺の孤蓬庵が特別公開されているよ、という情報をいただく。ごく近所に住んでいるのにまったく知らんかった。散歩がてらに、さっそく行ってみる。
忘筌の、例の障子は意外に大きい。柱と障子によって切り取られた有機的な庭と、その上の抽象的な障子の構成との対比が、よくできた現代アートのように見事。しかし暗い暗い室内から見ると、障子のありがたさがよくわかりますね。小堀遠州の建築は、成金趣味的な豪華絢爛の安土桃山様式や、その対極にあるややひねこびれた「侘び寂び」茶室との、間の取り方がうまい。趣味のよい金持ちという感じ。
建築と関係ないけど、もひとつ。孤蓬庵の門には「什麼」という額が飾られている。解説によれば、これは「そもさん・せっぱ」の「そも(どうする、いかにの意)」という字で、禅寺らしく来訪者に問いかけを発しているのだという。…これって中国語の「シェンマ」だよね?意外な発見でした。


 ■ 11月2日(日)
3
yanagisawa
柳沢究
上に書いてある「大津磨き研究会」の二日目にお邪魔して、作業風景を見学させてもらった。職人さんたちがいろいろな道具や技術・材料を試しながら、わきあいあいと磨きを塗っている様は、後ろから見ているだけでも楽しくなるもの。しかし同時に自分も塗ってみてぇ、という思いもふつふつと。
懇親会で雑誌「左官教室」の小林さんや「小屋の力」の写真家、藤田さん、BBSに書き込んでくれた日暮さんや平井さんなど、いろいろな方とお会いできたのは何より。







作業風景


 ■ 11月1日(土)
2
yanagisawa
柳沢究
マンションの改修現場。
プラン中央の茶室の壁下地がだんだん立ち上がって来ました。今月半ばには左官の下塗りの予定。天井を躯体あらわしの仕上げとしたため、配線・配管は床下に集中です。









17
yamada
山田協太
本日は泉佐野の邸宅改修計画の打合せ。ようやく基本設計で合意に達した。
建築物の実測調査から足かけ一年以上。竣工は来年夏までかかる見通しで気の長い話であるがまずは一安心。


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