神楽岡工作公司
JOURNAL
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2005年12月〜



 ■ 10月30日(土)
10
morita
森田一弥
 今月は手掛けていた仕事の現場も一区切りがつき、気持ちのいい気候にも誘われてあちこちの展覧会などに足を運んだ。あまりマメにそういう場所に出かけるたちではないのだが、最近そういうのも大事かなと思って意識的にチェックするようにしている。

 滋賀県立近代美術館での「YES オノ・ヨーコ」展、ジョン・レノンの奥さんとしか知識のなかったオノ・ヨーコだったけれど、具体的にどういう創作活動をしていたのか初めて知った。自分が生まれる以前の作品などを見ても、なぜか不思議に懐かしさのようなものを感じたのはなぜだろう。また当時の「前衛」を試行しつつもそれぞれの作品に清潔感と言うか品の良さが備わっているように思われたのが印象的。

 マイケル・ムーア監督の映画『華氏 911』を見る。9.11事件にまつわる様々な情報を見事な編集テクニックでつなぎ合わせ、なおかつエンターテイメントとしても成立させていて、いわば楽しみながら社会勉強できる映画といえるかもしれない。ただ、編集が鮮やかすぎて逆にどんな断片的事実でも編集次第でどうにでも料理できてしまう怖さのようなものも感じてしまう。彼の手掛けたテレビ番組「アホでマヌケなアメリカ白人(米題 AUFUL TRUTH)」の方が、その点ではバカバカしさが際立っていてマシかもしれない。

 キリンプラザ大阪で開催中のアトリエ・ワン「街の使い方」展は、既に発表されている作品や都市のリサーチなどが中心だったがじっくり楽しませてもらった。自分の手掛けた作品とは程遠いように思われるかもしれないが、実はアトリエ・ワンの住宅へのアプローチの方法は自分にはとても親近感があるのだ。会場には蚊帳でつくった「ミニ・ハウス」「ハウス・アサマ」の1/1のスケール模型?があり、この内部は京都の古い木造民家の駆体のスケール感に近い。

その他、10年ぶりに修学院離宮を見に行ったり、京都近代美術館での「剣持勇展」など、いろいろと。


 ■ 10月18日(月)
7
morita
森田一弥
 午前中は京北町の民家の改修計画を練る。平面計画はすぐにめどが立ったが、限られた予算をどう配分していくか、難しいところ。水曜日の打ち合わせに向けて、計画のスケジュール、概算見積もり、空間のイメージなどいろいろと資料づくりをする。

 午後は、天橋立のある宮津市で旅館業を営む方が事務所を来訪。自己紹介などをいろいろと。午前中は、門真の「カフェ・レスパス」や「ラトナカフェ」を見ていただいたらしい。京都のような大都市では、個人の仕事がその後都市レベルの広がりを持つというのは難しいが、宮津のような小規模な都市なら良い建築を作れば、それが面的に広がっていって町おこしにつながるのでは・・・という期待感がある。事態はそれほど単純ではないのだろうが、地方での仕事は最近やってみたい仕事の一つである。


 ■ 10月17日(日)
8
morita
森田一弥
水谷氏たちと連れ立って、先日竣工した「コラージュハウス」の植栽工事の仕上げに伺う。お施主さんの実家から頂いたソテツを中心に、水谷さんの見立てによる「針状の葉を持つ植物」を植える。冬に向かう今はまだ物足りないが、新芽が芽吹く来春が楽しみ。黒猫のフクちゃんのためにつくった階段脇のスロープも、フクちゃんは気に入って使ってくれているようでほっとした。動物は人間のように自分から希望を言ってくれる訳でないので、実は一番心配だったのだ。生活が始まった家の中は、お施主さん夫婦による「コラージュ」も加わって、とても楽しげな雰囲気で良かった。 

その後、ラトナカフェにも立ち寄って川本夫妻としばし談笑。先日イタチが迷い込んだそうで、家の中に臭いがこもって大変だったらしい。柳沢氏のジャーナルでも家に侵入するイタチのことが書かれていたが、京都市内は市街地部でも結構イタチが出没する。社寺仏閣の境内にでも潜んでいて、そこから出張してくるのだろうか。ここの庭も竣工以来手を入れてなかったので、水はけの悪い土を入れ替えたりして、模様替えをする予定。


 ■ 10月14日(木)
9
inoue
井上大藏
自宅で資料整理をしていたら、北山丸太に関するものが出てきた。
今年の8月に、10年ぶりに行われた伝統技法に関するものなので、ちょっと紹介しておこうと思う。本仕込みという技法だ。

元々北山杉は、樹皮を剥いで自然乾燥させるのだが、この工程を8〜9月の時期に行う事を本仕込みという。この時に乾燥させると材が相当軽くなって山出しも楽になるし、材も優美な色沢となる。だから重要な作業なのだ。が、同時にこの時期に台風が来る。
材の乾燥期間は7〜10日余り必要で、この期間に雨が降ると色沢が失われて価値を損なってしまう。また、人手も掛かるため10年間途絶えてしまった。
作業を行った銘木屋さんに話を聞けば、価格を度外視してでも復活させたかったらしい。本仕込みを行った北山杉を主力商品にする事はできないが、来年以降も本仕込みを続けて行きたい意向はあるようだ。この作業が、店のデモンストレーションとならぬよう、形骸化せぬよう今後の展開に期待したい。



使用する道具

「本仕込み」作業の様子


杉を“はぐ”


 ■ 10月13日(水)
3
morita
森田一弥
 二年前に手がけた「ラトナカフェ」が、日本建築士会連合会賞の奨励賞を受賞しました。「繭」に続いて二回目の受賞になるが素直にうれしい。「繭」の時は再生のプロセスが主に評価されたが、「ラトナ」はさらにそのプロセスの結果として「時間の奥行き」をもつ空間を造れた手応えがあった。一緒に汗を流してくれた山田協太氏をはじめ神楽岡のみんなにも感謝!。「ラトナカフェ」の名はマドラスに実在するお店の名でもあるのだが、「新建築」の発表では作品名が「Patna Cafe(パトナカフェ)」になっていて、確かにインドにはパトナという都市はあるからあり得なくもない名だな・・・と仕方がないけど納得。

 三条室町のマンション内に設計したお茶室も、久住氏の土壁工事も終わり近々完成の予定。今年は土蔵の実測をしたりお茶室の設計をしたりと、日本建築のコアなテーマに触れる機会が多い年だ。茶室の作法はさっぱり知らないので、お茶室開きの会に備えて多少は勉強しておかなくてはならないのだが・・・・どうも苦手意識が拭えない。左官の仕事を始めたすぐに、お寺の奥さんに抹茶を点てていただき、知らずに先にお茶を飲み干してしまって恥をかいて以来、どうも気が進まないのだ。

 今日は築200年以上という民家の改修の依頼で京都市の北、京北町へ出かける。直さなくてはならない場所がてんこ盛りにあるのだが、お施主さんは予算の半分近くをシステムキッチンとユニットバスに使いたいとの意向で、なんとかその偏りまくった予算計画を修正してもらわなくてはならなさそうだ。


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