神楽岡工作公司
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2005年12月〜



 ■ 2月24日(月)

森田一弥

門真民家改修の業者さんへの現地説明。繭の頃からお世話になっている(株)和田工務店の和田さんと名神高速で門真へ。まだまだ未定事項でいっぱいの図面を元に、打ち合わせする。解体前の見積というのはほんとに難しくて、結局のところ解体してみないことには決定できないことばかりなのである。和田さんとはお互いやりたいことが大体分かり合っているので、現場でどんどん変更していっても毎回大したトラブルもなく仕事を納められているが、初対面の業者さんだと、なかなかこうはいくまい。他に水道工事、電気工事は和田さん経由で見積をお願いする。左官や鉄骨など他の業者とは直接契約してやりとりする予定。今回もやっぱり、予算は厳しい。

夜は太陽電池コンペの打ち合わせ。参加者は柳沢、山田、樋貝、山本、森田の五名。今日で案のキーワードと基本のコンセプトは固まって、具体的な図面を描くのが各自の宿題になる。これは各個人の表現能力が問われる作業だ。心して作業すべし。

 ■ 2月24日(月)

門藤芳樹

ついに今日から

2/24-4/1までインドいきます。一応hotmailアカウントを取得したので、時たま、メール等もらえるとうれしゅうございます。では、いってきます。

y_mnd@hotmail.com (英語かローマ字限定)





井上大蔵

ここ2日間、パソコンの調子が悪い!知人の店のパソコンからメールをチェックしている状態である。早く何とかせねばーーー!

今日、山田氏や山上氏と共に泉佐野の実測調査に行く。精密な展開図を作成する直接の目的であるが、とにかく細かく実測した為、1日で納まり切らなかった。もう1日設定する事になる。細かな報告は後日、山田氏等から報告があるかも知れないので、とりあえず早報としておこう。

最近、厄介なチェーンメールが出回っている。我輩の所にも2つ届いた。
1つは、「高級犬のブリーダーが倒産して子犬100匹が処分されるので新たな貰い手を捜している」との内容のもの。もう1つは、「アメリカ議会で戦争の開戦が承認されたので、反戦署名文(英語)に署名をお願いします。知人に回してもらってもかまいません」という内容のもの。

共に、大変厄介で不届きなメールである!『真面目にこの分野に興味を持って、真意から何とかしよう』という者にとって、その意を無にする結果を最終的に生む!常時その分野で活動する者であれば、事前に内容確認が容易いが、要はターゲットにされたのが、“その他の分野で真剣にこの事について興味を持つ者”である。人の眼差しを無にすると共に、社会秩序にとって危険な行為である。この文章を読まれた皆さん、ご注意を!このようなメールが、今後、はびこらない事を我輩は切に望むものである。

これらのチェーンメールに関する情報についてはこちらを参照せられたい。

 ■ 2月23日(日)

井上大蔵

今日は、久振りに神楽岡屯所会に出席した。昼間に、ちょいちょい顔をだしてはいたが、夜は本当に久振りである。読書会で、今回は『帝国』がテーマだっが、厚い本にも関わらず個人的にも読んでみたくなった。

そう言えばこの『帝国』、以前にテレビ大坂の午後11時の番組『ワールドビジネスサテライト』の「本日の特集」コーナーで取り上げていた事を思いだした。この番組は、日本経済新聞のTV版でけっこう面白い。時折、当然ながら建設業界の話も出て来る。先日は、「木造2階建ての中古住宅を解体せずに外周を鉄骨フレームで囲うように包み込み、パネルを用いて3階建てに変身させる」という“方法”の特許を得たベンチャー企業(工務店)を特集していた。屋根は抜くが、軸は残すようだ。この企業、今はRC造3階建てマンションを、この方法で5階建てに改修するとの事。『混構造もここまで来たか!!』と、正直思ってしまった。

今、気付いたのだが、日経新聞だろ。経済番組だろ。こういう番組に興味を持つ事って、もしかして、、、もしかして、おっ、、、“おじさん”、、、って事なのかな?

 ■ 2月22日(土)

井上大蔵

今日の天気は曇り。昼からは雨との予報である。
・・・にもかかわらず、朝から「大文字送り火」の準備作業が行なわれた。登山道脇にある約60センチの幹長に切り下ろした松材を、“千人塚”に集めて整理を行なう。幹径20センチ〜40センチの物まで色々ある。これを巻き割りして送り火にいずれ使用する訳だが、今の段階ではしっかり乾燥しておらず大変重い!
送り火の保存会会員・造形芸大の歴史遺産学科生・一般市民の有志が参加して、今日は総勢20名程度。だけど、やはりへたばった!それ程重い!!昼前から、少し雲行きが怪しくなってきたので昼食を取って下山する。
下山したら10分もしない内に、雨が激しく降ってきた。保存会副理事長と我輩達、学生ら10人程度で銀閣寺門前の茶店でお茶をしばいて、本日は「ご苦労さん」という事に。今後しばらく、こんな日が毎週続くのでありま〜す。

 ■ 2月21日(金)

井上大蔵

朝から、母校の専門学校の先生が改修されている、町家の手伝いに行く。以前より町家改修の現場を体験したいと言っていた今春に造形芸大を卒業し専門学校(2部)に入学する女性と、同行する。何となく気分が軽い。やはり解体は面白い!思いっきりできる!おかげで、昼飯を待たずしてホコリまみれになった。

3時頃まで現場にいて、その後アールト展にく。以前に、門藤氏より柳沢氏を経てメ−リングリストに掲載されたレクチャーも、受けてきた。こういう系統のレクチャーに参加するのは、5年ぶり位であろうか。意匠系の先生のレクチャーなら、多分行かなかったところであるが、歴史系の先生だった為、意匠だけではなく“人間臭さ”の話も聴けそうだと思ったのが切っ掛けである。行ってみて、自分としては面白く感じた。久し振りに良い刺激を受けて帰って来れた。満足満足!

 ■ 2月20日(木)

柳沢究

昨晩8時より、太陽光コンペ打合せ。参加者は柳沢、森田、山田、樋貝、門藤、山上。モチーフを一つに絞りスケッチを持ち寄り検討。森田氏はインフルエンザで38度超の熱をおして参席。井上氏、水谷氏につづき神楽岡で3人めの犠牲者だ。今回はチャッチャと決めて早めに終わりたかったが、結局12時オーバー。紆余曲折の議論の末、より壮大な提案をめざして話は拡散の方向をたどることとなる。さあたいへんだ。

すき屋でうな丼セットをかきこんだ後帰宅。先週から知人に頼まれていた京エコロジーセンター前に設置する看板案のスケッチにとりかかる。徹夜で5案ほど描きなぐり朝一番で先方にファックス。疲れた。リゲイン投与。

3時から雑誌「宝島」の京町家特集の取材をうける(経緯はたぶん森田氏(ダウン中)がそのうち書くんじゃないか)。女性3人組の取材陣だったが、めずらしいなあ。おされな町家はもう他でとってきたから、汚くてかまわないというので、ろくすっぽ片づけもせぬまま迎え撃つ。しかしそれは「建築がキレイに整備されてなくてもよい」の意であって、「とっちらかっててもよい」ということではなかったことが、彼女らの表情から伺われた(すっかたなかんべぇ)。インタビューはいまいち苦手。机にむかってる写真なんかもとられてしまったが、仕上がりがものすごく不安である。

 ■ 2月18日(火)

井上大蔵

今日、メールを確認すると学会の案内が届いていた。と、言っても『日本建築学会』ではない。『文化財保存修復学会』と言う学会である。

建造物や美術工芸品を含む文化財全般についての修復技術や保存、新開発技術等の発表を行う学会である。開催時期が6月なので、少し先だが我輩にとって、興味を引く分野である。だからこの際、ジャーナルに出してみた。

今年の開催地は京都である。現在、発表者を募集しているようだ。誰かしてみない?
ちなみに我輩、学会ものの参加は初体験である。お初〜!




山田協太

京都建築専門学校佐野先生のやっている、六畳室町での町家の改修に参加した。付近で最古の建物で、建設は江戸末期か明治初期まで遡るという。元はほうき屋。私の行ったときはすでにはがされていたが、土間は石敷きで非常に立派だっただろう。作業は庭と床下の土すき、敷石の採寸、壁土のこそげ少々してきた。学生が多く参加しており活気があっていい雰囲気だった。

改修現場は16時に切り上げ、川端冷泉通下ルに位置する某施設を目指す。途中ヤマダ塗料店で家具職人の戸田さんに会った。相変わらず多忙なようである。都合が付いたら泉佐野の家具をお願いしたいと思う。

夕刻に朗報。布野研究室の留学生ナウィット氏が博士試験に合格。祝勝会で写楽へ。日本語校正の手伝いをしていただけに非常に喜ばしいことである。

 ■ 2月16日(日)

柳沢究

昨日は伏見にある京エコロジーセンターを見学に行ってきた。ゴミやエネルギー、温暖化など環境問題全般にわたり、小学生向けのわかりやすーい展示がたくさんあり、自分の環境問題に対する意識と知識の低さを知り、たいへん勉強になりました(ほんと)。しかしエコ啓蒙ムーブメントにふれた時いつも、怖さの混じったどうにも申し訳ない気分になってしまうのだけど、あれはちょっと人にやさしくないのじゃないか。僕の日頃の行いが悪いから仕方ないんだろうか。

本日は昼から神楽岡で門藤のインド旅行計画についてあれこれ口を出す。久々に自分のインド旅行のことを思い出したり、ヴァーラーナシーの魅惑の街並を思い浮かべたりして楽しい(牛とか)。

15時からは太陽光コンペの打合せに先立ち、アテネ・エフェメラル・コンペの入賞作と我々の作品を見比べつつ、あれこれ反省会。結構おもしろい案が多くサスガ、の感あり。「仮の恒久住宅」の時とテーマは似てるが、全体のレベルが桁違い。
コンペ打合せは柳沢、森田、門藤、山田、樋貝、山上、中川、飛び入り山本さん、と充実の顔ぶれ。途中大工の剛氏や清水氏も顔を出したりしてえらい賑やかに。が、賑やかはよいけどぶっつづけで夜10時までは少々しんどかった。コンペの案を煮詰める方法に毎度試行錯誤すれど、今回もいい線いけそうか?

 ■ 2月15日(土)

門藤芳樹

知人の現場を見に行く。

地盤は、盛り土が800mm程度。基礎をでかくしたくないから、支持地盤確認後、1000の割石+捨てコン+基礎スラブ。基礎スラブは後がらくちんなのでフラットで、全土台転がし。
ここまでは、まあ、いい。

んが、木なのに土台がGL+50もないぞ? 土台が赤身でもないぞ。
ネコもないぞ。防水的な止水はできたとしても、湿気は絶対あがるんじゃ?
下に1000の割石あっても、すぐ側が土だし。。。

物理的強度を確認するのも重要だけど、湿気や、虫食いなどの腐食性(っていうか?)を考えるのもエンジニアリングのうちやと思うのだけど、こういう場合、どう処理するのだろう。はたして一般的なのだろうか(ご存じの方教えて)??
あ、決して誰かを中傷するものではないです。あくまでも、御勉強、ということで。





井上大蔵

今日、久しぶりに京大カフェテリア・ルネで昼食を取る。時間があったので少し散歩がてら周辺を歩いていると、百万遍の知恩寺で「手作り市」が催されていた。かなり以前より、知ってはいたが覗くのは初めてであった。東寺の「弘法さん」の感じとはまた別の、ある種の清々しさがあって、これはこれで中々いいものだと感じる。

何を思ったのか、行った事のない「遅日草舎」へ初めて行く。京都市内では、殆ど自分から進んで「店の新規開拓」を行わない我輩にとって、不思議な感覚としかいえない。店の雰囲気については今回さておき、何気に書棚を見ていくと『磨丸太のすべて』という表題が目に飛び込んだ。和室の床の間に使われる磨丸太についての専門書は1970年代に7冊程度発行されてたのみで、後はないようだ。当然ながら現在は入手が難しい。これと出会ったのだ。古本店で本探しの、これが醍醐味である。

いやはや、今日は楽しい一時を送る事ができた。満足満足!

 ■ 2月14日(木)

山田協太

本日は修士論文の公聴会がある。修士二回生が研究成果を発表する晴れ舞台である。私の籍をおく研究室の発表者は4人いる。テーマは、京都田の字地区の空間構成、山科の空間構成(寺内町を中心として)、バンコク/ラッタナコシン地区のショップハウス、バタビア/カンポン・ルアルバタンの空間構成である。皆、莫大な作業量をかけた興味深い研究であった。

15時に山上氏に会う。森田氏とも偶然会い、3者で神楽岡を紹介する雑誌の記事について打合せ。夕刻は写楽で修士論文発表の打上げ。

 ■ 2月13日(木)

森田一弥

 8日の門真民家改修の打ち合わせは店内のイメージは大体一致点が見いだせたが、カウンター、厨房機器の配置が決まらない。カウンターと入口の関係は、色々と店舗を見ていても大体カウンターの横手から入る配置が多いがそれが必須条件なのだろうか?ただ奥に長い店舗が多いからそうなっているだけのような気もするのだが。

 二時から、建築家の渡辺豊和氏が主宰している「春秋建築塾」のことで渡辺菊眞氏と会う。「誇大妄想建築」は、数年前にこの会に参加していた中で生まれたものなので、来春から再出発する建築塾を刺激にしてまた新たな構想を温められたらと思っている。もうすぐ建築雑誌の中に広報が出ると思うが、前期は若手研究者、建築家による講義、後期は設計演習というスケジュールになっている。特に後期の設計演習は大学の単位のための演習と違ってもろに本人の問題意識を発揮できる場なので「我こそは」という人はどんどん参加してはどうかと思う。

 夕方はカブいじり。バイクなんて乗るだけのものでしかなかったが、いじり出すとこれは楽しい。

 ■ 2月12日(月)

山田協太

午前中は写真を元に泉佐野の家の展開図を作成。これを下図として現場で寸法を実測し、京都に戻ってから図面を修正して展開図は完成する。現場が遠いので下準備は入念にしなければならない。
夕刻から“祇園らんぶる”で井上氏と会食。らんぶるの大胆な庭の構成から水野氏の気風が感じられた。後“e‐d.”へ。

 ■ 2月10日(月)

門藤芳樹

本当にいい天気.前日の予報から分かっていたことなので、朝から、洗濯機2台分の洗濯をこなして、ベランダで、洗濯物のはためく下で、1.5時間ほどひなたぼっこをした.
凍てつく寒さはどこへやら、なまぬるい柔らかな風が、なんだか春の陽気をはこんできているよう.この時期の風って本当にいい匂いがする.

こんな陽気と桜の下で、喜多見の打ち合わせをしたのが、もう1年もまえかぁ、、、(遠い目).

 ■ 2月9日(日)

柳沢究

神楽岡での定例ミーティング。参加者は森田、山田、樋貝、柳沢。議題は太陽光発電コンペの打合せに、神楽岡HPのリニューアル、組織形態の見直し等について。

この一週間ほどコンペのアイディア検討をメールのやりとりで行ってみた。初めての試みであったが、それなりに議論が進んだように思う。ふとひらめいたささやかなアイディアでも、人に伝えるために文章化することでバサバサと思考が進んでいく。しかも意外と机を囲んだ会議に近い雰囲気が出るものだナと感心。言葉のやりとりですむ段階であればかなり有効な手段、といまさらながら気づいた次第。

今後の読書会のテーマとして、長らく懸案にあった「帝国」をとりあげることに決定。我々にとってかなりヘヴィな相手ではあるが、ともかく読んでみよう。
ともすると忘れがちであるが、実のところ空間と政治というのは密接不可分の関係である。空間をデザインするという行為は、人々にある種の決定への暴力的服従を強いる政治的行為であるし、我々の空間に対する認識は、常に時代、環境、階級に基づく政治的な価値判断にとらわれている。とらわれずにあることはほとんど不可能であるが、少なくともデザインが暴力的な行為であり、かつその拠り所となる価値観もきわめて不確かなものであることだけは、自覚しておかなければならないだろう。

 ■ 2月8日(金)

山田協太

井上氏と共に泉佐野にて施主と打合せ。今後の日程確認。2月一杯で施主が建物内の整理をし、3月にこちらと共同で床下、水廻り、ガス、電気設備の調査。4月までにこちらは改修計画の骨子を作成する段取り。各室の展開図と立面図作成に2月一杯かかる見込み。これから泉佐野に行く頻度が増えるだろう。



 ■ 2月7日(金)

森田一弥

 朝、神楽岡に来ると山田協太が昨晩からの続きで泉佐野の模型造りをしていた。続いて柳沢氏も登場、今日の神楽岡は珍しく人が多い。二階の窓からさんさんと陽光が降り注ぐ中の作業は、とても幸せな気分にさせてくれる。昼飯の後、ジャスミンティーを入れて飲んでいる時間はまさに「豊かな」ひととき。最近、僕の中では「豊かな」生活がブームである。

 門藤氏からBBSにアテネコンペ落選の書き込みが入った。ちょっとがっかりしたが、今回のように案に自信があるときは大して落ち込みもしないものだ。相手が悪かったと思えばいい。さらにあの案を洗練させて次のコンペで一位を狙えると考えれば、中途半端な入選よりかえって落選は有り難い。次回の神楽岡で、今だから指摘できる問題点を洗い出して、話し合ってみたい。

 門真の作業は打ち合わせ用の図面の準備に加え、業務委託契約書の作成など、事務手続きに関わる作業も多い。身の回りの掃除や会計などの細々したことを片づけて初めて「建築設計」に向き合えるというわけだ。明日の打ち合わせは河原町周辺の飲食店、カフェ巡りをしながら、施主さんの好みや要望を引き出してくるつもり。 

 ■ 2月6日(木)

森田一弥

 ヤフーのオークションでホンダのカブを手に入れた。今乗っているセピアは前に乗っていたカブを盗られて急いで安いのを購入したので、今は煙を吐いて走っている有様。これからもこのカブでガンガンこの京都を走り回ろうと思う。
 
 季刊誌「チルチンびと」にラトナカフェが掲載されるのだが、掲載に耐えるまともな写真が少ないので柳沢氏にデジカメを借りて撮影に行く。改めて見てみると、やっぱり各雑誌のカメラマンさんは写真がうまい。愛機ニコマートちゃんを使いこなせていないので、最後は確実なデジカメ君に頼らざるを得ない。本物より良く見せる必要はないが、せめてその雰囲気の半分でも伝わる写真が撮れればいいのに。

 門真の民家改修プロジェクトは今週末に基本設計の打ち合わせの予定。「銀閣寺の家」で試した色違いの土壁を、また試したいと思っている。その他、沖縄の藍染めの染料である「泥藍」を東京の左官職人、榎本さんの紹介で手に入れたので、それを使って藍色の壁を塗ってみるというのも今回のテーマの一つだ。

 ■ 2月5日(水)

門藤芳樹

HISにゆく.

1ヶ月程インド(+ダッカ)に行く計画を立てたのだが、飛行機の関係で、バンコクに立ち寄ることになった.「何泊なさいますかっ!!」と嬉しそうに聞かれても、予定してなかったからなぁ...「ムエタイアユタヤ見れればいいので2日」と答えると、すごーく寂しそうな顔をしていた.

飛行機手配はさすがに手慣れたもので、「--経由、何時発 ++経由、**着でいいですね!待ち時間は短いです!!」というがさっぱりついていけなかった.ひょっとして、2回くらいは自力でワープが含まれているのだろうか、と思いながら「じゃあ、それで」と答えてしまった.よくない.

インドの旅程は後日、柳沢にみてもらおう.

教訓 「徹夜明けで、フラフラ旅行会社にいってはいけません」

 ■ 2月4日(火)

井上大蔵

世間のニュースを横目に、そそくさとインフルエンザA種を片付けてやった。先週の31日(金)に、山田氏に約束(予測)した我輩の復活予告日は今日である。現在の達成率は95%と言うところだろうか。この時“勘”と“希望”と“決意”で山田氏に伝えて(しかもインフルエンザではないと思っていた)しまっていたのだが、結果オーライである。後日の打ち合わせで、5日(水)の夜に模型製作・打ち合わせの予定案が出るが、さすがに病み上がり直後の深夜作業は避けたかったので6日(木)夜にずらしてもらう。よって、5日(水)は完全休養日とする。

7日(金)夜は、京都で東京在住の知人の上司と夜に初めて会うので外せない。8日(土)は泉佐野。9日(日)は環境団体の建材に関するイベントにスタッフとして参加しなければならない。金曜以降の予定は、“相手がいて”しかも“かなり前から決まっていた日程”なので今更変更できない。しかも大学進学の願書提出手続きも今週末までに済まさねばならない。だから、この時期に回復するしかなかったのである。

ホント我が事ながら、予定通りで大変驚いているのである。
(えっ! インフルエンザも予定にあった?)





柳沢究

「銀閣寺の家」の現場が動いてた間まったく本が読めなかったため、最近本を衝動買いしてしまっている。現在の自分の興味がわかって面白そうなので、ここ一ヶ月くらいで入手したものを並べてみる。書評は得意でないし、だいたいまだ半分くらいしか読んでないので、購入した動機を添える。

で、やってみたらえらい長くなってしまいました。結局ジャンルは比較的建築(当然!)、インド関連が多いものの、基本的に手当たり次第、ということが明らかに。いや、知ってたけど。

■『表象の芸術工学』 高山宏、工作舎
買ったのでなくもらいました。レクチャーをまとめたものなので手軽だがテーマは壮大。刺激的な図版満載。豊富な関連書籍紹介がうれしい。(済)

■『基本建築関係法令集14年版』 霞ヶ関出版社
前持ってたのが借り物だったので。先週15年版がでやがった。(済、のわけない)

■『テクトニック・カルチャー』 ケネス・フランプトン、TOTO出版
「結構術(テクトニックス)」という語にひかれ。フランプトンはまだちゃんと読んだこともないので。分厚い。(未)

■『木材塗装[超実用]テクニック読本』 建築知識増刊, エクスナレッジ
木材塗装はいちテーマです。古色もそれなりに載っていた。(だいたい済)

■『いえづくりをしながら考えたこと』 縄文人+菱刈俊作、エクスナレッジ
セルフビルド論であることと、絵を描いてるのが高校で習った美術の先生だったため。セルフビルドの心意気が語り尽くされた寓話のようでもあり。(済)

■『帝国』 アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート、以文社
森田氏に教えてもらい昨年からずっと気にしていた本。ようやく邦訳が出た。これも厚い。(未)

■『インド世界の空間構造 ヒンドゥー寺院のシンボリズム』 小倉泰、春秋社
日本で数少ない本格的インド建築研究書。絶版であるがたまたま見つけたので大急ぎで買う。しかし学術書は高い。(済)

■『予告された殺人の記録』 ガルシア=マルケス、新潮社
去年、山田に借りて読んだが(中国で)もう一度読みたくなったので。めくるめく構成力である。(済)

■『百年の孤独』 ガルシア=マルケス、新潮社
マルケスものにもう一つチャレンジ。焼酎もよい。(未)

■『インド宇宙誌』 定方晟、春秋社
インドの世界観が豊富な図版で解説。これは熱い。(未)

■『掠奪美術館』 佐藤亜紀、平凡社
タイトルが抜群にそそります。「表象の芸術工学」の中で知る。(未)

■『インド文明とわれわれ』 ルイ デュモン、みすず書房
インドに本気で関わる気ならコレは絶対読んどけ、という書。(未)

■『寺山修司の仮面画報』 平凡社
思わず。寺山修司と天井桟敷の活動を写真を中心にまとめている。好きな人には垂涎もの。特殊な舞台世界を表現する緻密な装置がいろいろあって面白い。(済)

■『森と建築の空間史:南方熊楠と近代日本』 千田智子、東信堂
神社と南方熊楠というのに一瞬、え、と思い。神社の近代化(廃絶と組織化)の流れと伊東忠太、南方熊楠の関係を論じる。東工大での博士論文がもとだが、なかなかに読ませる。(今半分くらい)

■『呪術としてのデザイン』 中島斉、彩流社
まごう事なきタイトル買い。ケルトの文様などが論じられている(みたい)。(未)

■『僕たちの好きなガンダム 全モビルスーツ&メカニック徹底解析編』 別冊宝島
いやぁ、つい。(熟読)

■『ジョー&飛雄馬』 講談社
ジョーはやっぱすげぇ。一徹は意外にかわいい。(現在唯一の購読誌)

■『Harry potter and the philosopher's stone』 J.K.Rowling、Bloomsbury
映画をこないだ見て…。(少しずつ)

 ■ 2月3日(月)

門藤芳樹

アールトの建築にいまいち親近感を持たない人のために少し書きます.

アールトは、木やレンガや自然素材をつかった造形や、波のモチーフなどで紹介されることが多いが、その表層デザインのみにより全てを語り尽くせる建築家ではない.非常に「言葉にしにくい」けれども、、、.

西洋の近代建築家が、人間が住むための建築を機能という切り口で切って、自分の建築思想や哲学を具現化していった時代に、アールトは自然環境をねじ伏せるのではなく、あくまでも厳しい自然と共存/併存しようし、森や湖や太陽に対して従順で、もたらされる恵みは最大限享受する、という建築の作り方をしていった.のちにそれはG.ギーデオンによって「発見」されるが、結局はヴァナキュラーという名の、モダニズムの一流派という解釈に留まっている.しかし、僕の解釈は少し違ってもっとシンプルなものだ.

北欧の人は根本の部分がキリスト教ではないために(でもヨーロッパに侵略されて以降キリスト教)、「人間と唯一絶対の神」という構図をとらない.その代わりに、サンタクロースやムーミン等で広く知られるように、深い森や山々には多くの精霊がいることを信じ、畏敬の念さえ抱く文化を根底にもっている.つまり、あえて言うなら「人間と自然」とでも言えるような、自然に対してどう関係を持つか、という構図が生活全般を覆っているように思う.よって、アールトの建築においては、自然の素材よりも、自然との関係性にこそその本質があるのだ.そういう自然との関係において、「森羅万象に神が宿る」と考える日本人とは、なにか親戚のような親近感をもててしまうし、我々が近代化の過程で失った大切なものをまだ大事に持っているような気がする.アールトの建築を訪れた際に、西洋建築から感じる建築の質とは全く違うものを受け止めて、なんだか懐かしい次元で納得してしまう自分に当初は困惑したものだが、そんな所に遠因があるのかもしれない.

余談だが、アールトと安藤忠雄氏は多くの共通点を持っていると個人的には思っている.多くの場合、暑かったり寒かったりが苦情にしかならないが、そういう自然環境の扱いや光への繊細な取り組みは、根底で流れる思想が近いからであって、頭で考えて到達できる哲学ではない.ちなみに安藤氏の最初の建築旅行ではシベリア鉄道によりフィンランドからスタートしており、また、世界的に最初に安藤氏を評価した賞はアルヴァ・アールト建築賞である.





柳沢究

ふつうに日記を書いてみる。

7時、バイト先病院にて起床後帰宅。11時までメール作業を行ったのち、出発。久々に京大ルネにて食事する。いつも生協に来ていたときの感覚でメニューを決めたら、鳥カツ丼が油っこすぎて全てを食せず。食がほそくなったことを実感。11時半、新進堂にて竹山研の長野氏と待ち合わせ、久々にいろいろと話す。前方視界極薄のドクター道に踏み込んでしまったお仲間であるが、なんとか独自の道を切り開こうと頑張っている。

12時半、神楽岡の事務所に顔を出し、その気はなかったのだが森田氏と今後の方針について数時間話し込んでしまう。途中、丹羽さんの現場をのぞきに行く。骨組みに戻った建築はやはりしびれる。完成が楽しみ。天井の菜種油拭き仕上げはなかなかよいなぁ。食事は白川通り沿いのTRANQ ROOM。結構本気のインドカレーがそろってた。僕はチャイだけ。

17時ころ帰宅。夜の予定が急になくなったので、鷹峯の計画についてスケッチ。0時頃終了。その後本を読みだす。とちゅうでやめようと思ったがとまらず、気づいたら3時過ぎ。ちょっと後悔して寝る。

 ■ 2月2日(日)

門藤芳樹

宣伝

アルヴァー・アアルトの住宅関西展
 大阪住まいのミュージアム(現名称_大阪くらしの今昔館)
 2月1日-2月24日(4、12、17、18休館)10時-17時 / 入館料 0円

展示内容は、a+uのアアルトの住宅特集号で写真を撮っている、建築写真家、建築模型製作家ヤリ・イエッツォネン氏の写真及び模型が中心.住宅自体は膨大な数があるけれどもそのなかから、キャッチーなものが主に展示されている.また、主な客層は「おばちゃん by住まいのミュージアム」と読んだため、ヤリ氏の渋い模型(銅の鋳造だったり大理石削りだしだったりするやつ)の半分近くはボツになり、かわりに学生がつくった分かりやすい断面模型が数点展示されている.
展覧会は、北海道、九州、愛知と巡回してきて関西が最後.親日家のヤリさんの日本在住の友人が実行委員となり、それぞれ各地でボランティア主体の実行委員会を立ち上げて、ゼロからスタートしている.展示パネルの解説は、伊藤大介先生(北大教授/アアルトの研究で有名)なので、コンパクトにまとまっていて読みやすい.
展示内容は、ヤリ氏のアアルトへの想いの結晶のような模型以外は、数年前のMoMAの巡回展には遠く及ばないが、レクチャーは、オープニングでの、フィンランド建築界の大御所ヘランデル氏と、アアルトの伝記を翻訳された田中雅美氏、2月21日での、伊藤大介氏と、これ以上ない豪華さ.この機会に是非.
ちなみに大量に売りさばく予定のa+uの特集号は、少しお安くなってます.





井上大蔵

最悪である。

・・・と、言っても“体調”がであるが。ここ数年寝込んだ事が無かったのに、体調を崩してしまった。先週木曜の夕刻より変調を感じ、「疲れだろう」と思っていたが、金曜朝になっても回復しない。自分の体調に少し不信を抱いたので山田氏に連絡をとって泉佐野の一人対応をお願いする。こんなのは、めったにない事である。夜になっても好転しない
ので、夜診察に行く。インフルエンザA型の初期症状の診断を受ける。熱を測ったら40度位はあった。夜になって、山田氏より当日の状況連絡を受ける。

ここ数日、寝込んでいた時、日頃考えた事の無い事を考えていた。例えば自分が今まで撮ったビデオの今後の処理である。我輩がビデオを撮るケースは建築(史)系が主になるがテレビ番組収録も含めると、ざっと120タイトルはあるだろう。時間数では、もう判らない。通常録画なので、画質が劣る事はないだろうがテープ自信の自然劣化は避けられない。どうしよう。・・・と、いうような事である。

もちろん、まともな事も考えていた。8日に山田氏と泉佐野に行く事で以前より調整済である(もちろん相手にも)。今後の検討内容や模型の進行状況、対話の進め方について考えていたら、昨夜は妙に寝られなかった(いけない事?)。ま、と言うような状況である。
ゴホン!ゴホン!・・・なんてね。

みんな、体調には気をつけてねって、我輩が言うナってか!?

 ■ 2月1日(土)

柳沢究

一月の中頃から諸般の事情が錯綜した結果、そこはかとなく「やる気がしっねえ〜」(清志郎)気分が漂っていたのだが、このままでは遺憾と発起。頭を切り換えるリハビリテーションのため、大阪でやってる「アルヴァ・アールトの住宅」関西展に行って来ました。初日でフィンランドの建築家のレクチャーもあったせいか、えらい混んでいた。学生が大半とみたが、アールト人気あるなあ。僕が学部生だったころはあまり興味をもつ奴がいなかったような気がしたが。学生(俺もだ)の嗜好もやっぱり変化しつつあるのか。

会場はだいぶ前に出たa+u別冊の作品集を3次元に広げたような写真と図面(大判で布に印刷)による展示で、わかりやすくはあったが少々もの足りなくもあり。例によって日大の手による建築模型が展示されていたのはよかった。断面模型をみていて疑問に思ったのは、アアルトの住宅には片流れ屋根で天井高の大きい(あるいは吹き抜けの)室内空間がけっこうあるが、あれは熱環境的にはどうなんだろうという点。RCあるいは煉瓦造で暖炉があるにせよ、フィンランドの冬にはちょっと寒そうではある。

これっぽっちも脈絡はないが、NYのWTC跡地にガウディが建つかもしれないそうだ。しかもこんなの。これ実際にWTCの敷地を想定して計画されていたものらしい。今の時勢、なんだかそのまま中東の方へ飛んでいきそうな勢いであるが、久々にまじで建てて欲しいと切に願うプロジェクトである。





門藤芳樹

初めまして.モンドです.

アールト展がようやくオープニングを迎えた.今回は建築家アールトへの興味もさることながら、何百万円もかかる展覧会というものがどのように企画され運営されるのか興味があったので、実行委員側として主に裏方作業に参加していた.
当日は、朝9時半現地集合で、1時半からのレクチャーのためにほとんど昼休憩なしでバタバタした.それでも作業には、林雅子展村野藤吾展を経験した工繊大の学生が数名かりだされていたので、それほど混乱なく開場までこぎつけた.レクチャーが終われば、そのまま大阪中之島公会堂に場所を変えて、協賛金を出してくれた方々を招いてのオープニングセレモニーという運びだった.

公会堂では、となりのホールで「社交ダンス関西地区大会」みたいなことをやっており、ドレスで着飾ったペアが’Shall we dance’ばりに優雅に踊っていてまさに別世界.それと同時に、多くは取り壊されてしまう名建築が、使い方もふくめて見事に再生されているさまには、純粋に感動したりした.その横で、当日かり出された山上君は、「あーパイナップルおいしー!」とほおばっていた.

ホントに皆様、ご苦労様でした.


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