4月から設計の仕事に専念しはじめ、現在、京都市内と園部の方で二つの住宅設計が進行中。それなりに忙しい毎日を送っております。
3月までは神戸へ毎日往復4時間かけて通勤していたけれど、それがなくなったため一日が非常に長く感じられるこの頃。それはとても嬉しいことなんだけれど、今のところ動いている現場が無いため、一日中一歩も外に出ず座りっぱなしという日がしばしばあり、身体の鈍りに拍車がかかっていてマズイです。
そんな中、一昨日は久々に現場に出ました。朝一に久住鴻輔親方から連絡があり、とある土蔵の修復現場で窓周りの実測と、その修復用図面の制作を即日でやったのでした。
京都では時々目にする機会がありますが、土蔵の扉というのは、火事の際に隙間から炎が入りこまないように、窓枠と扉が段状の立体的にかみ合うデザインとなっています。左右の扉相互および枠と扉とのクリアランスは、1〜2分(3〜6mm)。これを漆喰の塗り厚で調整するのもすごいが、防火性を追求するが故に厚さ15cm・重量○十kgもある複雑な形の建具を作ってしまう(しかも広く一般化している)という発想も実は驚くべきことである。
一昨日やった作業は、傷んだ扉を作り直すための図面を、既存の窓枠の実測寸法をもとに書くというもの。炎天下に土蔵の壁に張り付いて、実測に4時間。家に帰って水風呂を浴び、清書と修復用図面書きをシコシコ9時間で仕上げる。(土蔵の実測図面作成は今回で3回目。1回目は骨組みを、2回目は外側の仕上げ(04/5/22)をとった。そろそろ新築の設計も…)
現場で体を使って汗を流し、事務所で頭を使って図面書き。こんなペースの仕事は気持ちがよい。毎日だともの凄くしんどいと思うけれど。
昨日の夕方は、打合せで山科にある鈴木健太郎氏の事務所まで行ってきた。バイクで行けばすぐのとこを、少しでも体を動かそうと自転車で九条山を越えて行ってきた。九条山なんて大した山でもないんだが、とてつもなく苦しんだ。途中、自転車で行くのをあきらめ地下鉄に乗りなおそうかと考えたが、あまりに情けないのでそれはしなかった。
生活の中に体を動かすルーチンを作ってかないと、そろそろ、いろんな意味で、危なそうである。
ちなみに蹴上・九条山の一帯には、蹴上インクライン跡の他にも見所が多い。
九条山浄水場とか全和凰美術館(廃墟)とか。オススメは日向大神宮。樋口忠彦のいう「隠国(こもりく)」の構造が連鎖する神社コンプレックス。本殿は京都では珍しい神明造(伊勢神宮と同じスタイルのやつ)であり、天の岩戸などもある。
| 柳沢究, 雑感 | PermaLink | trackbacks (0) |
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