JOURNAL

■ 07年03月26日(月)

スライド会の様子[柳沢究]

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3/25のスライド会の様子。

鈴木健太郎氏所有の丸太が山積みになっているため、いつにも増して密度が高い神楽岡。そこへ30人超の来場がありたいへん賑やかな状態に。
土間・床・丸太と三段階の床レベルからなる立体的な観賞空間となりました。

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■ 07年03月20日(火)

中国山西省・大院めぐり[柳沢究]

15〜19日と、中国山西省に調査へ。

 

曹家大院・渠家大院・常家大院・喬家大院という、一連の「○○大院」と呼ばれるこの地方の商人の大邸宅を梯子する。昨年、一昨年と大学院で調査した王家大院との比較のためだ。
「大院」はいわゆる四合院が何十と集合して、ひとつの町のようなスケールでできあがっている。そのためどこをどう歩いても金太郎飴のように、囲われた中庭の風景が反復していくのは、ある種の力強さを持った、気分の悪い空間体験ではある。最後の方はかなり疲弊した。


 

大院めぐりの拠点としたのは平遙の町。世界遺産にも登録されており、2〜300年前くらいから凍結した街並み。城壁に囲まれた、石炭の匂いが立ちこめる暗い湿った(これは季節と天候のせいもある)石と土の町。ここはおすすめです。右の写真は泊まったホテル。

曹家大院にて。すべて「寿」という字のバリエーション。

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■ 07年03月15日(木)

SSS実物大実験棟施工・その3[柳沢究]

足場が外れた完成写真が届きました。
非常にマイルドな雰囲気に仕上がってます。

 

内装仕上げはこれから。

とりあえずの仕事を終えたバルーン。
次の出番はいつどこでか。

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■ 07年03月14日(水)

SSS実物大実験棟施工・その2[柳沢究]

10日の作業に引き続き、SSS実験棟のシェル仕上げ工事。

現場に着くと、バルーンは萎み、シェルはばっちり固まっておりました。山本先生によると、前回の施工後48時間後にバルーンの空気を抜いたとのこと。

 

仕上げには、森田氏と久住氏の提案により、通常の漆喰よりも耐水性の高い天然水硬性石灰(NHL)という素材を用いた漆喰を使うことに。国産の材料はなくフランス(ベルギー?)からの輸入品のためかなり高価なのですが、久住氏を通じて日本NHL協会の方にご協力をいただきました。


材料を練り、上塗り仕上げにとりかかる。砂を多めに使っているからか、NHLの色なのか、やや褐色がかった白色。スポンジケーキに生クリームを塗るように、塗っていく。左官職人は実にパティシエなのだ(英語の“パテ putty”には「上塗り漆喰」という意味もあるのです)。


並行して、バルーンとバルーンを固定していたベースプレートの撤去を進める。

開口部周りのリブを除き、上塗り完了。モルタルだけの時よりも大分やさしい風合いになってきました。たしかこんな色合いのカブトムシがいた気がする。

 

内部空間の様子。平面はおおむね3m四方(方丈)で4畳半くらいの広さ。ドームの頂部高さも同じく3mあり、一つの空間の単位としてふさわしい、狭からず広からずの非常に心地よいスケール感。


仕上げの続き。ある程度固まってきたところを、スタイロでこすって形を整え仕上げていく久住氏と、リブ部の仕上げにとりかかる森田氏。

 

その間に、開口部の膜材をとりつけていく。左は真ん中にファスナーのついた出入り口タイプ。右は窓タイプ。メッシュがついて夏も安心。


最終仕上げとして、スポンジで表面を滑らかに整える。円を描くように。
そうして作業が完了したのは日没間際。シェルの施工はとりあえずこれで一段落。
バルーンの精度や、プロの組んだ足場の使いやすさ、山本先生・林君の膨大な事前準備作業、森田氏・久住氏の段取り、小澤研の皆さんや川井君の協力などのおかげで、いくつかの反省点は残しつつも、今回の施工は当初の予想をはるかに越えた成功であったように思います。

最後に記念写真。

足場がはずれた完成像は、また明日。

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■ 07年03月12日(月)

久々の研究発表[柳沢究]

ヴァーラーナシーにあるとあるヒンドゥー寺院の建物。真ん中に見える茶色い塔が寺院。しかし1階部分はお店になり、上には建物が増築され、おまけにそこへ塔の先端が突き刺さっている。
周囲の増改築によりこんな状態になった寺院が、ヴァーラーナシーではしばしば見られます。寺院が都市の中でどういう存在なのかを物語る、実に興味深い現象です。

という話とはあまり関係ないのだけれど、12日には万博公園の民族学博物館の研究会で、久々にインド研究の発表をやりました。

題目は「モハッラと都市空間:ヴァーラーナシーを事例に」。

『モハッラ mohalla』というのは、北インドの都市の近隣・街区単位であり、かつては地域コミュニティの単位でもあった(元々はアラブ起源の概念)。そのモハッラがヴァーラーナシーにおいては、どのような構成をもって都市空間に配されているのか、というテーマを現地での調査を元に話した。僕の博士論文の一部をなすものでもある。
都市の一つの構成単位であるモハッラの特徴を把握することで、ヴァーラーナシーという町のなりたちや特徴が見えてくるのではないか、という筋書きである。

モハッラについての研究は、社会学や歴史学分野に若干の研究があるものの、その空間的側面にはまだまだ明らかではない。そんなこともあってか、発表は(ゲストに対するリップサービスはもちろんあったにせよ)けっこう好評であったように思います。文化人類学的視点からの鋭い質問もたくさん頂いて、異なる視点からの批評をもらうことや、期に応じて研究を取り纏めていくことの大切さを改めて実感したのでした。
感謝合掌。この勢いで…。

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■ 07年03月10日(土)

SSS実物大実験棟施工・その1[柳沢究]

滋賀県大で行った、SSS=左官シェルストラクチャーの1/1スケール・実験棟施工の様子です。

プロジェクト開始から約2年、元になったコンペ作品(Shell-ter)から数えると約6年がたったことになります。アイディアコンペの作品がこのようにリアルに立ち上がることになったのは、ひとえに滋賀県大・山本直彦先生の手腕によるところが大きいが、それ以外にも各方面さまざまな方のお世話になり、ここまで辿り着きました。それだけでも感慨深いものがあります。


さて、広大な滋賀県大キャンパスの一角に足場屋さんに組んでもらった八角形の足場。
6日の準備作業でバルーンがうまく膨らまなかったのは、地面の凸凹のためと考え、きっちり地ならしをしたうえで、バルーンを設置する。さらに空気を逃がさないように足下を土嚢袋で押さえてから、送風機で空気を送り込みます。

 

今度は見事に美しい楕円形ドームに成長。
中に入るとこんな感じ。空気をパンパンに送り込んでいるので、気圧で耳がツーンとします。あまり長く入っていると目がチカチカして気分が悪くなり危険。写真はSSSプロジェクト・構造担当の立命館大・小澤雄樹先生。

 

次に開口部の型枠となるリブ材を設置すると、素晴らしい精度でドームと合体。まさに計算どおり。嬉しい。

 

頂部にはパンテオンよろしくトップライトを設置する。トップライトはポリカーボネート製のサラダボウルである。
続いて養生のためにバルーンをビニールシートで覆っていく。

その上に、麻布をかぶせていく。これがモルタルの引っかかりとなる。

 

足下には砂利を埋込み、簡易な基礎とする。
そしてモルタルを練る。

 

ついに左官工事開始。塗手は森田一弥氏と強力助っ人の久住鴻輔氏。左官は時間との勝負。もの凄いスピードでモルタルが塗られていく。
その脇では、材料を切らさないように、ひたすらモルタルを練り続ける。これが意外に重労働。写真は滋賀県大・川井操君と立命館・小澤研の学生さん。

 

あっというまに第1段階の施工が完了。


 

モルタルがおおむね固まってきたところを見計らい、第2段階に突入。載荷実験、振動実験の結果をふまえ、下半部には厚めにモルタルを塗りつける。赤いジャケットは、今回バルーンの製作にご協力頂いた小川テックの廣澤部長。東京から駆けつけてくれた上に、工事の手伝いまでしてもらいました。

日没とほとんど同時に第2段階の施工が完了。雨が降りそうだったので、10m×10mの巨大ブルーシートで覆うと、妙にアナーキーなオブジェのように。
この後、足下のモルタルが剥落したりして、その修復作業(と恒例の中国語勉強会)が深夜(夜明け)まで続いたのですが、全体としてはきわめて順調であったと言ってよいでしょう。

とはいえ、気温が非常に低いため、モルタルの乾きが予想よりもかなり遅い。いつになったらモルタルが十分に硬化してバルーンの空気を抜けるのか(何せバルーンを膨らませている間は、ずっと送風機を可動させ続けているのであるから)、一抹の不安を抱えながら、後事を山本先生と林君に託し、11日早朝に一旦解散。

仕上げは14日。

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■ 07年03月08日(木)

人力観覧車?[柳沢究]

来週の発表の準備で、7年前のインド調査時の写真を見ていたら面白い一枚がありました。ヴァーラーナシーの街を訪れた巡回遊園地(!)の「人力観覧車」(あれ、でもこれは「観覧」車ではないよなぁ。どう考えても。「回転ブランコ」は水平回転だし、何と呼べばよいのかわからない)。

回転軸部分に3人の屈強な男が入り、交互に全体重をかけて車軸を回していく。ちょうど自転車のペダルを漕ぐような要領である。彼らが疲れるとゆっくりに、乗客の反応がよくて気分がのると猛スピードで加速するというヒューマンな乗り物。
動画で見せられないのが残念ですが、最高速時はかなり速いです。数秒で一回転します。

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■ 07年03月06日(火)

SSS型枠仮組み[柳沢究]

朝から滋賀県立大学にて、SSSのドーム型枠を設置し膨らませるテストをやった。

ドーム型枠は今回の実験のために特注した、直径3.6mの巨大な袋状の物体(写真の黄色いの)。材料は塩ビなんだけど、なかなかに重く(50〜60kgはあるのではないか)、所定の位置に広げ固定するだけでも一苦労。3人がかりで1時間以上かかりました。
おまけに彦根は午後からずっと吹雪いて、気温は0℃以下だし…

その寒さの故か、膨らましテストはあまり上手くいかず、週末の本番作業に向けていくつかの課題が残ったのでした。

一方、先週からpotitekの工房をお借りしてつくっていた開口部まわりの部材は、いい感じで組みあがりました。(前村くん、戸田さん、お世話になりました)


 

左:これが入り口の枠になる。右:ドーム状の型枠に取り付けるため接線は三次元曲線を描く


部材製作作業の様子(助っ人の前村くん

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■ 07年03月04日(日)

『無有』竹原義二[柳沢究]

だいぶ久々で更新の仕方を忘れていました。
ようよう論文に腰が入りつつも、SSSの実験が山場を迎えていたり、3月に民族学博物館で発表することになったり、12年振りで歯医者に行ったり、ついに花粉症デビューしたりの2月でした。神楽岡スライド会の段取りもなかなかできていませんが、今月からまたやります。

ところで、一年以上前から構成役として制作に関わっていた本が、つい先日、完成・出版の運びとなりましたので、ご案内。


無有』 著:竹原義二/写真:絹巻豊 (学芸出版社)

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(書名は「むう」と読みます)

広葉樹や土・石などの自然素材を独特の感覚で使いこなし、緻密な平面をもった住宅作品に定評のある建築家・竹原義二氏の初の単行本です。
単なる作品の解説にとどまらず、「手仕事の痕跡」「ズレ」「間合い」「廻遊」「素材の力」など、竹原作品に通底するキーワードを軸に、これまでの住宅設計の軌跡や、竹原氏の原点となっている様々な日本の伝統的建築の空間体験、職人と向き合う姿勢などが熱く語られています。
複雑なアプローチや境界のデザイン等を解読できる図面やスケッチも数多く収録され、なかなかに読み応えのある一冊ではないかと思います。
(書店には10日頃から並ぶそうです)

あと、関連イベントとして現在、大阪のINAX the TILE spaceというところで、「101+1のイエ」という展覧会が開かれています。自邸「101番目の家」にいたるまでの全101作品の模型と青焼き図面(手描き)がズラリです。

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