JOURNAL

■ 06年05月29日(月)

私から見た大国家住宅[井上大藏]

遠足からの帰宅直後、体調を崩した。最近になって特に悪くなり、持病ともいえる喘息が治まらない。今日は少々気分が良いので記すことにしよう。

柳沢氏も記している大国家住宅についてである。今回は制度について。この住宅について、広大の三浦研により調査報告書が作成されているのは柳沢氏の前述のとおり。
現在、この住宅は国指定重要文化財である。
平成11年に和気町の指定文化財となり、平成12年には岡山県の指定文化財に昇格している。
その後、所有は個人から和気町に移っている。これらの状況を総合すると、当初の予定としては岡山県の文化財で落ち着かせる予定だったのだろう。ところが、県指定の予備調査の結果で『国指定も可能かも』という感触と、所有が公有となった為に将来の修理維持費の県や町負担が増大する事から、国指定を目指す事になり、三浦研の本調査に至った可能性が非常に高い。当然、活用の為の基礎資料としても調査されている。
裏付けは簡単で、平成16年2月の調査報告書発行・・・・同年7月に国指定重文となっている。調査報告書の発行を待って国指定を行った感が非常に高いのだ。
こう記すと、指定が単純な行政判断と事務的方法によって行われているように写るかもしれない。しかし小さな行政にとって、所有する文化財への経費の支出は実は頭痛の種であり、それが現状なのだ。

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■ 06年05月26日(金)

伝統文化における紋様国際会議[柳沢究]

11月に大阪大学で開催される、第62回形の科学シンポジウムにて、世界に広く見られる一筆書き/紐状パターン・・・Kolam(南インド)、ケルト紋様(アイルランド)、SONA(アフリカ)、 水引・組み紐(日本)、宝結び紋(日本・中国・モンゴル・チベット)、アラベスク(中東)など・・・をテーマとした、研究交流の国際セッションが開催されます。

僕自身のコーラム研究(このところあまり進展していませんが)の成果も、この機会にあわせてまとめて発表する予定です。興味・関心のある方は、ぜひともご参加ください。

詳細は以下をご覧ください:
形の科学会
KASF(Katachi/Kolam/Knot Arts and Science Forum)
形の文化会
科学芸術学際研究所

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■ 06年05月25日(木)

春の遠足2 旧大國家住宅[柳沢究]

旧大國家住宅というのは、閑谷学校からほど近い和気町尺所にある。吉備津神社本殿と同じ「比翼入母屋造」というえらく凝った屋根をもつ、一風変わった民家だ。創建は1760年という。

 →ぐるぐる動く旧大國家住宅

初めて本格的に実測・調査されたのが2003年(広島大学三浦研究室による。←なんだかとても楽しそうな研究室)、その調査報告を受けて国の重要文化財に指定されたのが2004年。このように文化遺産として整備され始めたのがかなり最近のことなので、建物は内外ともほとんど修復されておらず、あちこちに傷みがみられる。しかしそれが逆に、一つの住居が二百数十年の間住まわれ続けてきた(平成14年まで実際に大國家の人が住んでいた)ということの、厳しさ生々しさを直截的に感じさせてくれる。これは綺麗に復原・修理され、一般公開されている民家からは想像しづらいものだから、なかなか貴重な体験であったと思う。

 

ちなみに、旧大國家住宅は通常一般公開はされていないけれど、事前に和気町の教育委員会に申し込めば、見学できたりできなかったり。

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■ 06年05月22日(月)

春の遠足1 閑谷学校[柳沢究]

たいへんご無沙汰しております。
3〜5月前半は「げのむ」の仕上げやら引っ越しやらが重なり、ヒーヒーでした(言い訳)。そんなこともありHPでの案内はできなかったのですが、この間の日曜日に恒例の「春の遠足」を決行しました。今年は閑谷学校、旧大國家住宅、吉備津神社、後楽園を巡る備前・岡山ツアー。滋賀県大・山本先生の飛び入りもあり、総勢20名の賑やかな遠足となったのでした。

まずは、閑谷学校
山間の道を抜けるとスカッと拡がる敷地、備前焼の屋根瓦と眩しいほどに白い漆喰壁が新緑に映え、何とも爽やかな風景。この爽やかさは、小高い山の懐に抱かれた平地というロケーション(風水的に選ばれたと聞く)もあるが、植栽のメリハリによるところが大きい。植物の繁茂しやすい日本では、ふつう建物周りは植物が全然なしの砂利敷か土、あるいは鬱蒼とした木々に囲まれてしまいがちなのだが。建物間の距離をほどよくとり、石塀や火除山、排水溝などの曲線が柔らかくめぐる。この澄明で端正な敷地計画には、ちょっと日本離れした感覚を感じてしまう。これは後楽園をも計画したという津田永忠のセンスなんだろうか。
ちなみに右の写真は昨年の冬に訪れた時のもの。緑の中に浮かぶような春と、周囲にとけ込むような冬。季節が違うと受ける印象はかなり異なるものの、どちらも見事に敷地と呼応していて驚く。

 

ちょうど我々が訪れたとき、地元の中学生と思しき子供らが、講堂に正座して(足の痺れに耐えながら)論語の復誦をやっていた。「子曰わく、過ちて改めざる、是れを過ちと謂う(子曰 過而不改 是謂過矣)」
講堂の床は入れ子になっている母屋の部分だけ、漆が丹念に拭き込まれ、鈍く光っている。火灯窓から外へほわーっと誘い出されるような感覚がある一方で、講堂の中心に意識がぎゅーっと集まるような求心性もあり、開放感と緊張感の同居した、まこと勉学に相応しい環境というべきか。

 

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■ 06年05月18日(木)

SSS 振動実験[柳沢究]

振動実験のために、ふたたび生産された1/3スケール試験体(3号と4号)。
4〜5mm厚のシェルの薄さが際だつ。

立命館大学の実験施設にて。まな板の上のSSS。

 

実験の様子と崩壊の瞬間。
0.5Gの振動は耐え抜き(3号)、阪神大震災クラスの1Gの振動では鉛直載荷実験と似たように、足下が砕けるように崩壊した(4号)。この結果をふまえ、実物大実験棟のシェル厚を決定していく。

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■ 06年05月13日(土)

フェリーの貯水量[井上大藏]

久しぶりに書き込み。フェリーに初めて乗った事は以前に記した。
その時に思った事は、フェリーの貯水量について。
私が乗った門司行きの船は、総トン数約9800トンで旅客営業定員は697人。+αで航海関係者がいる。とすると、700人強の人員は乗船するわけでだ。この人数の水の使用量と貯水量が気になった。一体ぐらいの量を積んでいるのだろう?もちろん、男女別の大浴室完備。お湯はスーパー銭湯のような気軽さで使える。時間も17時〜24時と6時〜8時の2回設定されている。また、レストランの厨房は、旅客定員にも対応できる広さと能力を備えているとしたら、洗浄の為の上水も相当量の確保が必要なはずだ。他、調理用や便所・洗面の水量、飲料用の確保も考える相当量になるはずだ。循環浄化もあるのかな?
更には、汚水用の水槽も必要な訳で・・・。
いやはや、実はフェリーの機能に驚いて乗船していた次第である。

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■ 06年05月01日(月)

フェリーにて[井上大藏]

29日の夜、初めてフェリーに乗った。大阪南港〜新門司港間。12時間の旅。
時間的に余裕がある場合は、夜行バスよりも確実に快適。お風呂もあるし。普通の食事もできるし。船内では、市との協議の最終チェックを行った。いざ寝ようとしたところ、同行連れが「今後の活動について話し合おう」と声を掛けてきたので受ける。気がつけば午前0時。もう瀬戸内は真っ暗。気が張り詰めているセせいか、眠れない。思案に耽りながら、デッキに出て風を受けつつ時を過ごした。思えば、建築の分野は幅が広い。こういう事で九州を頻繁に訪れようよは、人生で思いもつかない事だった。

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