JOURNAL

■ 08年04月08日(火)

高野口小学校 その1[柳沢究]

先月末博士論文が一段落した後、芸工大の助手同僚の水島あかねさんにお誘いいただき、和歌山にある高野口小学校の見学に行ってきた。

現地でご案内頂いたのは、高野口小学校の保存・改修プロジェクトに携わっている和歌山大助教の平田隆行氏(平田さんのサイト構成は広範な活動がそのまま可視化されていて面白いな)。平田氏とは、1999年夏にフィリピンのヴィガンという街の調査に一緒に行って、マニラの安宿で飲んだくれた時以来だから、約9年振りの再会である。

で、高野口小学校。

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前庭と正面玄関(当日カメラをうっかり忘れため、水島さん撮影の写真をもらいました)

1937年建設の木造平屋の小学校。プランは櫛形のいわゆるフィンガープラン(ここの航空写真参照)で、それぞれのフィンガーの北側に片廊下が走り、南側が教室という構成になっている。指の間は中庭で、指の付け根は正面玄関と職員室などの管理部門が集まるという明快な構成。
プランで見るときわめて構成的なため、病院や兵舎・刑務所にも通じそうな堅苦しい雰囲気である。しかし実際には、長手方向の壁がほとんど全て開口部になっているため、教室〜廊下〜中庭とのつながりも密で、そのような印象はまったくなし。のびのびとした心地よい教育空間でした。

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廊下と教室(1間ピッチで並ぶ5寸角の柱。方杖がきいている)
廊下も教室も天井高が高く(3.3mくらい?)、空間としては完全にモダンである。

高野口小学校の空間の「のびのび感」は、厳格な空間構成理念が、住宅にも通じる和風のディテール(天井はなんと竿縁天井である)と木の質感でうまく中和されている点が大きい。ディテールと質感が、理念と人間の距離を埋めているといってよいか。これを鉄骨で白く塗ってやってしまったら、こうはいかないだろう。

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中庭


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