JOURNAL

■ 08年04月01日(火)

「足の裏の米粒」除去[柳沢究]

DSC_0407.jpg
(ヴァーラーナシーでの調査風景:2007年06月)

新年度明けましておめでとうございます。

昨年度よりほぼ、丸一年間、神楽岡の活動を休業してきましたが、4月より復帰です。
そんで、この3月で5年間お世話になった神戸芸術工科大学を退職し、しばらくぶりに京都での設計業務に本腰を入れていきます。
芸術工学研究所特別研究員、また民博の共同研究員として、インド都市研究も継続するんですが。
(テーマとしては、今後、対象とする時代を過去から現在へと漸次スライドさせていく予定。対象地もインドから日本へと関係づけていくのが目標)

この一年半は、積年の課題であった博士論文の執筆に没入でした。
30過ぎたとか、職の任期が切れるとか、所帯持ちになったとか、もろもろで尻に火がボーボーつきながら、同じテーマで科研があたったという追い風や、いろいろな方の助けも受け、何とか走り抜けることができました。

12月の草稿の提出から、1月の論文提出、2月の公聴会、3月の最終判定を経て、先月24日に尾池総長から直々に学位記をもらってきました。論文の中身はさておき、「足の裏の米粒」と揶揄される博士号でも、7年越しのそれはそれなりに感慨深いもので、でも、歓喜というよりは安堵、長いマラソンを完走したような、しみじみあはれな、それです(マラソンしたことないけど)。
在学時と違って大半が孤独な作業であったので、修士論文や卒業設計時には考えもしなかった、相談できる先輩や手伝ってくれる後輩、同じ目標に向けて走る同輩の存在のありがたみも、折りに触れて感じました。

博士号の重みも年々と軽くなってきているらしく、また、博士難民の様子を見ても、これがいつか運転免許証ほどにも役立つのかわかりません。ただ、学位そのものよりも、取得にかかる一連のプロセスをくぐりぬけることこそが、仮にも「研究者」を名乗るために不可欠なイニシエーションであるということは(ノーベル賞の田中さんのような例外はありますが)、誰もが言うことですが、強く実感したことであり、また以前には決して理解できないことでした。

ともあれ、まがりなりにも一つの形に研究をとりまとめると、当然問題点が明らかになるとともに、あれこれ楽しい展開が思い浮かんだりもしているのですが、今はもう、研究・論文からはしばし離れ、思う存分建築の世界に遊びたいというのが正直なところです。

そんなわけで、またぞろよろしくおつきあいお願い申し上げます。


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コメント

足の裏の米粒,とれて良かったですね!
おめでとうございます!!!
今後のますますのご活躍,期待しています.

| ST | 2008/04/02 14:44 |

STさん、ご無沙汰しています。
おかげさまで、なんとか、です。
一応これで、「瓢箪のくびれ」を越えたということにして、
今後はもう一回活動を膨らませていきたいと思っています。
現在は、通勤時間から解放された時間を満喫していますよ。

| 柳沢 | 2008/04/04 18:10 |

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