JOURNAL

■ 08年04月09日(水)

高野口小学校 その2[柳沢究]

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高野口小学校の敷地の周囲は、このような石積みの生け垣で緩やかに囲われている。
石積みには中腹に段が設けられていて、背の低い子供でも生け垣に手が届くようになっている(実際に生け垣の手入れは生徒達がやっているそうな)。こんな細やかなデザインが、校舎のあちこちに見られて気分がよい。

設計者は当時(1937年)、高野口町に出向していた和歌山県営繕課の人とのこと。昔の役人設計者といえば逓信省などが有名だけど、地方でもいいデザインの仕事をしてたんだなあ。話はずれるが、デザインのできる優秀な建築学生が、役所、特に地方自治体の建築行政にすすまないと日本の街はよくならない、というのは布野修司の「タウンアーキテクト論」。これは、地方に密着して活動する町医者的建築家と連動してはじめて機能する。アトリエ系→スターアーキテクトだけが、建築家の道ではないのだ。

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見学の後、小学校の音楽室で平田氏にこの間の保存・改修運動の流れの簡単なレクチャーを受けた。建物の老朽化に伴い、保存改修でいくか新築にするか、いろいろすったもんだがあったらしいが(そのやりとりの様子はNPOの冊子にまとめられている)、今は改修保存の方向が確定し、実施設計がすすんでいるとのこと。
建築そのものもとてもよいし、この活動はもっとメディアに取り上げられてよいはず。なのに、建築メディアにすらほとんど紹介されてないんじゃないか。

教育委員会に申し込めば、見学を受け付けてくれるかもしれないとのこと。見学者が多く訪れるということは、この小学校が世間から注目されていることを。行政にアピールするという意味ももつので、興味のある人は是非トライを。高野口の街も面白いですよ。


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