映画の帰りに、東福寺・龍吟庵の特別拝観に寄った。
重森三玲の庭が3つある。
「龍の庭」は、庭にしては実にわかりやすい庭なんだけど、よく見ていると石の形や配置・砂利の黒/白のバランスなどに緊張感が感じられて面白い。
「無の庭」には疑問符。何も無い庭はそれはそれでよいのだが、手前がからっぽの分、背景の漆喰壁がやけに目立って白々しいのが気になる。
「赤の庭」は文字通りイロモノの感はあるが、雨に濡れた赤い石の色と銅版の屋根や植物の緑色とのコントラストが綺麗で、個人的には一番お気に入り。何故赤なのか分からないが、他の2つの庭もあわせて、重森三玲の実験精神は存分に感じられる。
庭に気をとられてしまいがちであるが、建物の方もなかなかに見応えがある。たしか現存最古の方丈だったはずだ。骨太の構造と、線の細い蔀戸や一本筋の障子などの繊細な組み合わせが綺麗。
| 柳沢究, 雑感 | PermaLink | trackbacks (0) |
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