JOURNAL

■ 06年02月13日(月)

旧金比羅大芝居・金丸座[柳沢究]

年末に行った香川・岡山で、実は一番よかったかもしれない建築。
現存唯一の江戸時代の芝居小屋、琴平の金丸座

 

近年の改修で一部鉄骨で補強されたそうだが、それでも木造柱梁による大空間はちょっと他に類をみない迫力である。現在はもちろん電気照明が入っているが、年一回の公演の際には、高窓からの自然光とロウソクの灯りのみで演じられるという。高窓の外側(屋根の上)には照明係さんが控えており、暗転時にはバタバタと人力で板戸を閉ざすのだそう。
天井は竹を格子状に組んで透かしてある。これだけでも空間に深みがでてカッコいいが、芝居のクライマックスにここから紙吹雪が舞い落ちるという演出もあるという。枡席と舞台の親密な距離感は、現代の椅子式のホールとは大違い。役者は舞台・花道を駆けめぐるし、客席からもヤイヤイと声が飛ぶ。上演時には建築全体が濃ゆい演劇空間となるのだろう。一度味わってみたいものである。


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コメント

以前、NHKか何かで特集されていませんでしたか?
う〜、とってもうる覚えですが、とても興味あります。
建物ってそのもの単体ではなく生活に溶け込んだものはまったく別のものになりますね。

| サハラ | 2006/02/17 02:47 |

サハラさん、書き込みありがとうございます。
そうなんです。生活の無い建築はただの箱あるいはオブジェ。逆に建築と生活が有機的に一体化してたりすると、とんでもなく魅力的な空間が生まれるんですよね。

NHKの番組わからないんですが、↓かなぁ。
http://www.nhk.or.jp/takamatsu/program/program-5-2.htm

これによると、天井の竹の格子(「ぶどう棚」と呼ぶらしい)は、最近になって発見・復原されたみたいですね。

| 柳沢 | 2006/02/18 16:41 |

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