JOURNAL

■ 06年01月21日(土)

缶詰バー&沢田マンション[柳沢究]

中崎町のコモンカフェで行われる「けんちくの手帖」へ顔を出すために大阪へ。

イベントの前に、堀江にある缶詰バー・kansoへ、ちょっと寄り道。最近よくある「イロモノ店舗」かなと行く前は思ってたけど、酒屋の店先で飲んでるような雰囲気で、なかなかまったりできる。ビニールシートで囲まれたやや寒い屋外スペースで、石油ストーブにあたりながら、牡蛎のスモークとうなぎの肝の缶詰でビールを少々。場所が場所だけに地代は高そうだが、それ以外のランニングコストはかなり押さえられるだろうなぁ。通勤途中にあったら毎日立ち寄ってしまいそうである。

今回の「けんちくの手帖」のテーマは沢田マンション(通称:沢マン)。高知にある有名なセルフビルド・マンションだ。

建物の詳細はこちらの本に出ているので省くとして、面白いなと思うのは、一見行き当たりばったりの無計画な造りでセルフビルドらしいヴァナキュラーな雰囲気を醸しているんだが、そこに使われている建築言語は、ピロティ、屋上庭園、フラットルーフ、屋上まで続くスロープ、ドミノシステム、大量生産の規格化部材などなど、実は近代建築のボキャブラリーそのものじゃないか、ということ。近代建築の「造形」にとらわれず、その「システム」「理念」を融通無碍に用いていったら、こんなこともできてしまうのだという、いい証拠である。少々短絡的かもしれないが、同じように白く塗られたサヴォア邸の発展型として沢マンを位置づけてみると、近代建築の意外と面白い可能性に気づかないだろうか(そういえば吉阪隆正自邸もそんな感じだ)。

もう一つ。セルフビルド建築の楽しさは、ブログや個人サイトの楽しさに似ている。
発信メディアとしてのインターネットの普及は、恐るべき多様さと密度と深さを持った「素人」が、世の中には沢山いるのだということを知らしめた。同じように、もしセルフビルドがもっと手軽で一般的なものになれば、世の中にはもっともっと面白い住まい方や空間感覚を持った人間がいることが、きっと明らかになるだろう。たとえば「TOKYO STYLE」「賃貸宇宙」などの都築響一の仕事からは、インテリアレベルではあるが、そんな可能性の一端がうかがわれる。


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| 2006/09/01 22:00 | 中年プログラマblog |

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