明けて5月5日、内部の床の施工を行いました。
施工指導はおなじみの久住鴻輔氏。
床は三和土(タタキ)で作ります。その最大の理由は、居住者自身を施工主体として想定するからです。
仮に木材を用いた高床とする場合は、一定の熟練した施工技術が要求されます。特に曲面となるシェルの足元部分の取り合いには、高度な加工が必要となります。
しかし、土と少量の石灰を混ぜて叩き締める三和土であれば、左官職人の指導のもと、非熟練労働者による施工が可能です。また主材料となる土は現地調達が容易であり、交通が遮断される災害時の材料供給の点からも有効な方法と考えられるのです。
まず、かさ上げのために内部に砂利を敷き詰めて、足で踏みしめます。
床は地面から12センチくらい上がって来る予定。
材料を練ります。タタキには「三和土」という漢字が当てられますが、それは本来タタキの材料を土に石灰とニガリを混ぜてつくることから来ていますが、今回実際に使った材料は、消石灰2、砂6、土1、砂利2、水1.2(ニガリは今回は使用していません)。
今回の三和土は、通常の施工に加え、表面2センチほどには、(外装仕上げにつづき)日本NHL委員会からご提供いただいたNHL(Natural Hydraulic Lime:天然水硬性石灰)を実験的に用いています(NHLを用いた三和土というのは、おそらく国内では初の試みかと思われます)。
材料を敷き詰め、水平にならしていきます。
叩きます。
ゴザを敷いているのは表面を滑らかに仕上げるため。
親のカタキのように叩きます。
よってたかって叩きまくります。
三和土は、これだけぶっ叩くから「タタキ」と呼ぶのだ、ということがよくわかります。
完成。
(ブルーシートをかぶせて1週間くらい養生します)
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