JOURNAL

■ 07年06月05日(火)

SSS 総括[柳沢究]

SSS(SAKAN Shell Structure)

プロジェクト概要と写真

構造実験および実験棟施工のプロセス

「森田一弥の写真日記」での報告

SSSの原案となった「SHELL-TER」は、地震などの災害時で家が失われた時に、被災者が短期間のうちに自力建設(セルフビルド)でき、なおかつ災害復興が終わっても活用のできる、仮設住宅のモデルを提案でした。

SSSプロジェクトでは、これを元に「京都型」としてのコンセプトを加え、実現へむけてのより詳細な検討を、2年間にわたって行いました。コンピューターによる構造解析、モルタル材料試験、1/3モデルを使っての載荷実験・振動実験、バルーン型枠の開発、足場の組み方、開口部の検討、そして実物大実験棟の建設を行いました。

結果として開発された構法は、容易な施工ときわめて少ない材料で一定の居住空間を確保でき、建設コストも比較的安いものです。仕上げをどこまでするかにもよりますが、必要な建設期間は3〜5名の人数で約1週間ほど。コストも足場代、職人手間代込みで100万もあれば可能です。中に入るとドーム型の天井のため四畳半相当とは思えないほど広々としており、仮設住宅にとどまらず、東屋・イベントブース・遊具・子供部屋・茶室など、様々な展開が考えられます。
防水性・断熱性能の向上、ユニットの連結方法、より施工がしやすく居住性の高い仕上げ方法等、残された課題は少なからずありますが、今後も実験棟を一つ一つ試作しながら、改良していければと思っています。
どなたか作ってみたいという人がおりましたら、お気軽にご相談ください。


なお、本プロジェクトは遂行にあたって、立命館大学COEプログラム、住宅総合研究財団、文部科学省学術フロンティア推進事業からの研究援助を受けています。
空気膜型枠の数値解析と制作は(株)小川テックとの協同で行われました。
構造実験・材料実験に際しては立命館大学理工学部土木教室の設備を使用させていただきました。
左官工事・三和土の施工には久住鴻輔氏の大きな協力を得ました。
リブ型枠の製作ではポチテックならびに前村達也氏にご協力いただきました。
実験棟の仕上げに用いた水硬性石灰は日本NHL委員会から提供していただきました。
またプロジェクトの各段階において、立命館大学小澤研・滋賀県立大学山本研/布野研・奈良女子大学の学生さんにご協力いただきました。
最後になりましたが、以上、ここに記して御礼申し上げます。


SAKAN Shell Structure 研究委員会

※本サイト内のSSSに関する文責:柳沢究


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