JOURNAL

■ 06年03月02日(木)

名和昆虫博物館[井上大藏]

この形式になって記すのは初めてで・・・。これからもヨロシク。
今年早々、1月に名古屋と岐阜に行ってきた。
主は、名古屋市美術館で開催中の「名古屋近代建築運動史の群像T武田五一」の見学。
他、幾つか名古屋市内を巡って岐阜市に立ち寄るコース。岐阜市では、名和昆虫博物館を訪れた。博物館施設として『記念昆虫館』と『昆虫博物館』があり、設計者は共に武田五一。
『記念昆虫館』は明治40年、『昆虫博物館』は大正8年の設計。
『昆虫博物館』では、大正期の唐招提寺修理で取替えられた柱(古材:オリジナル)が現役の柱として再利用されている。文化財の古材に注目している私は、これを見に行った。
副館長に案内いただくと、古材(柱)は12本譲られているとの事。
あるものは柱に、またあるものは通常非公開の『記念昆虫館』内の白蟻観音六角堂や天皇御座所の化粧材等に使われていた。・・・が、説明を受けた数では12本に至らない。
何処へ・・・と聞き、確かと指差された場所を見ると未整理の資料の中に置かれている姿が。転用されないままの、初心な姿でご対面である。なんとも、意外な新鮮さをかもし出していた。

記念館や博物館でありながら、建物としてはとても小さくて華奢なつくり(木造・煉瓦造)。しかし、もともとのデザイン力が優れているので、「岐阜公園内」というイメージ・環境が加味されても、遜色なく建物を楽しめるのは、やはり武田のパワーであろう。
さながら、『記念昆虫館』は洋風小住宅を思わせる。

記念昆虫館


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