JOURNAL

■ 07年08月07日(火)

ガンジス河の水没寺院[柳沢究]

ヴァーラーナシーは、インドで最も聖なる河とされるガンガー(ガンジス河・恒河)の河岸に展開する都市です。ヒンドゥー教最大の聖地であり、インド国内外のあちこちから数多の巡礼者が訪れます。巡礼者たちが朝日を浴びながらガンガーで沐浴する風景は、テレビなどでもお馴染みでしょう。映画「深い河」では秋吉久美子も沐浴していました。そういえば、長澤まさみが主演のヴァーラーナシーを舞台にした映画 (ガンジス河でバタフライ) があるそうで、つい先月そのロケがヴァーラーナシーで行われたと聞きました。あんなところでバタフライなどして体は大丈夫かしらと、にーにーは心配です。

(2007年6月)

インドにはモンスーンのやってくる雨季と灼熱の乾季がありますが、ガンガーの水面はその間に6〜7mほど上下します。はじめ、河の水面が毎年数mも動くということが信じられなかったのですが、それをものすごくよく理解させてくれる寺院が河岸に建っています。
上の写真は、その寺院を乾季の6月に撮ったもの(6月は雨季直前の最も暑い時期。気温は45度を越え湿度もばっちりあります。きついです)。

これが雨季の終わり頃だと、

(2000年10月)

こうなり、
雨季真っ最中は、

(1999年9月)

こんな感じです。

石造建築とはいえ、そんな毎年毎年水没していて大丈夫なのかしらというにーにーの心配をよそに、聖なるガンガーで沐浴する寺院、しかも擬似的に消滅と再生を繰り返すこの寺院は、聖地ヴァーラーナシーにおいてもとりわけ象徴的な存在であり、篤い信仰を集めていると思われます。
そしていつか、乾季になって水が引いたら寺院がなくなっていた、なんてことになったとしても、この寺院は都市の記憶の中に生き続け、信者は変わらずそこへ参拝にやってくるに違いないのです。そんな場所がヴァーラーナシーにはいくつもあるのです。


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