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SAKAN Shell Structure

SAKAN Shell Structure

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伝統技術を活用した災害仮設住宅の建設技術開発に関する研究
〜左官技術を用いた自助建設型シェル構造ユニット〜
通称:SSS(SAKAN Shell Structure)

>> SSSの構造実験および施工のプロセス

伝統的な左官技術を活用したシェル構造体からなる自助建設型仮設住宅モデルの研究・開発プロジェクト。地震・火災等による市街地の被災後、居住者(=被災者)が自助建設により、シェル構造の簡易な仮設住宅を建設するための材料・工法といった技術開発を行っている。

基本となるユニット(写真)は、平面3m四方、天井高も同じく3m、四面にアーチ状の開口部をもつドーム状(半楕円回転体)の構造体であり、これを4〜5棟連結させることで1軒の仮設住宅を構成するという計画である。

SSSの最大の特徴は、(1)空気膜を施工用型枠として用い、(2)左官技術によって、(3)無筋のモルタルシェル構造体(エッグ・シェル)を施工する、という建設システムにある。

構造体の施工法は、空気でドーム状に膨らんだ樹脂製空気膜に麻製のネットを被せ、ガラス繊維で補強したモルタルを塗りつけるというもので、非常に簡単な設備で無筋のモルタルシェルを形づくることができる。シェルの厚みは15〜30mm程度、通常のコンクリート構造に比べて使用材料は極端に少ない。また、空気膜の型枠はコンクリートの硬化後に空気を抜いて取り外し、何度でも再利用することが可能であり、災害後の短期間に大量の建築空間を実現することが出来るシステムとなっている。

高度な建設技術を用いず単純な左官作業のみで施工可能であることから、素人でも比較的容易に建設に参加することができる。その後、住民自身がコンクリートのドームの上に土や漆喰を塗り重ねることで、耐震性能や居住性能を向上させていくことも可能である。


   構造実験


※原案はこちら >> "PROJECT > SHELL-TER"

名称:SAKAN Shell Structure(SSS)

設計・施工:SAKAN Shell Structure 研究委員会 【50音順】
 構造:小澤雄樹(立命館大学講師)
 構法原案・左官工法:森田一弥(森田一弥建築工房)
 設計・平面計画:柳沢究(神戸芸術工科大学助手)
 企画・全体統括:山本直彦(奈良女子大学准教授)

施工協力:(株)小川テック久住鴻輔(久住左官)

面積:8.6m2(1棟)
研究・設計期間:2005年6月〜2007年2月
実験棟施工期間:2007年3月〜2007年5月(施工所要日数 8日間)

主体構造:無筋モルタルシェル構造
主要仕上材料:漆喰、ロクタ紙、三和土、開口部付きテント膜

研究援助:住宅総合研究財団(平成17年度助成研究No.0536、主査:山本直彦)、立命館大学21世紀COEプログラム「文化遺産を核とした歴史都市の防災研究」、学術フロンティア推進事業「文化遺産と芸術作品を自然災害から防御するための学理の構築」

協力:石塚祐至(立命館大学大学院)、林亮介(滋賀県立大学大学院)、平尾和洋(立命館大学准教授)、井上真澄(立命館大学助教)、山田協太(鳥取環境大学助手)、日本NHL委員会(水硬性石灰提供)、(株)安部日鋼工業、立命館大学・滋賀県立大学・奈良女子大学の学生の皆さん


| 2007.05.07 |

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