「門真の改修民家」は1960年代に建設された在来木造工法の民家の一部を店舗として改修したものです。建物は築後40年を経た典型的な入母屋造住宅であり、敷地は旧農家集落の一角に位置しています。
本プロジェクトでは、夫婦と子供一人の生活に必要なスペースを残しながら、日常生活で最も使われていなかった一階の座敷部分とその二階の部屋を解体して大きな吹き抜け空間を設け、飲食店のための空間としました。吹き抜けを横切っているのは、二階床の剛性確保を兼ねたパンチングメタル製ブリッジです。解体後に現れた木造軸組をフレームに見立て、左官職人・久住誠氏が中国や日本各地の色土を使った色鮮やかな土壁で塗り分けています。
古民家再生にありがちな「わび・さび」でもなく、現代的な「シンプル・モダン」でもない、さまざまな素材による色彩豊かな空間を試みました。
| 2003.12.17 |