脱毛とフェイシャルケア(フォトエステ)のサービスを提供するエステサロンのインテリア・デザイン。 サービスの性格上、初めてのお客さんは少なからず緊張した面持ちで来店される。その緊張感をときほぐす、やわらかで落ち着いた、包みこまれるような空間をつくりたいと考えた。
プランは中央にエントランスホールであり待合室も兼ねたカウンセリングスペース、その両側に事務室と施術室を配している。事務室、施術室の面積はギリギリまでそぎ落とし、限られた空間の中でできるだけ大きな容積をカウンセリングスペースに与えている。
カウンセリングスペースの壁は上下端にアールをもたせた砂漆喰。表面を微かにスポンジで荒らした漆喰壁は、西側の開口から入る自然光や照明の光を、やわらかく受けとめて室内に広げる。壁面を彩るのは左官職人・久住鴻輔氏による即興的レリーフである。微妙な山型の起伏で壁にさざ波のようなゆらぎを与え、様々な濃度の陰影を生み出している。
| 2005.10.11 |