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コラージュ・ハウス

コラージュ・ハウス

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京都市内の古い木造家屋が密集する地域にある築70年ほどの木造建物を改修し、アトリエを増築した住宅である。

路地奥の古家付きの敷地を購入した夫妻は、隣家と繋がった既存の木造家屋を残しながら、新しい空間を付け加えることで彼らにとって快適な住まいを作りたいと考えていた。敷地内の建物を切り離し・解体して新築するという選択肢があったにもかかわらず、である。そこで、既存部分の手前に天井高の必要なアトリエ空間を増築し、水回りなど必要な機能を既存部分に挿入することで、新旧の空間や素材、技術がコラージュされた、変化に富んだ空間を実現したいと考えた。

コラージュ・ハウスは、何か一貫した一つのシステムで覆われた空間ではなく、部分部分で施されたデザインの集合としての空間である。使った素材はどれも我々が身近に出会う素材、ガラスやタイル、ポリカーボネイト板やガルバリウム鋼板、昔ながらのスギ板や土壁である。大量輸送交通が発達した現代においては、限られた素材とデザインで統一されたかつての民家や集落のような美しさは望むべくもない。バラバラの背景を持つ素材がコラージュのように組み合わせられた環境にでも我々は「美しさ」や「心地よさ」を見いだせるはず・・・というのがこの空間を生んだそもそもの動機である。


名称:コラージュ・ハウス
所在地:京都市中京区

設計:森田一弥建築工房(森田一弥、外園高)
構造計算:門藤芳樹構造設計事務所(門藤芳樹
施工:エクセル住宅建設(藤井武司、松浦克彦)、木工事/栂佐工務店(高尾栂佐)、左官工事/森田一弥建築工房、久住左官(久住鴻輔)、鉄骨/勝竜製作所(北野安晃)、造園/水谷馨

建物概要:木造(既存部)および軽量鉄骨造(増築部)二階建
建物用途:専用住宅
面積:敷地面積/101.5平米 建築面積/57.7平米(既存部35.3、増築部22.4)
延床面積/82.8平米
工期:2004年04〜09月

外部仕上:既存部分/増築部分
屋根:既存瓦葺き、天窓新設/ガルバリウム鋼板断熱材サンドイッチパネル
外壁:色大津仕上げ、焼き杉板張り/断熱材付きガルバリウム鋼板張り、網入り波板ガラス張り
天井:既存天井、一部既存天井撤去の上米松板張り
室内壁:色大津仕上げ、磁器質タイル貼り
床:杉板張り/カバ床材パーケット
柱梁:古色仕上げ(松煙、弁柄、柿渋塗布)


| 2004.11.12 |

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