神楽岡工作公司
古色に関する覚え書き
0.  「古色」とは 3.  その他の古色材料各論
1.  神楽岡工作公司で用いた古色材料各論 4.  古色に関する現状と展望(追加)
2.  神楽岡工作公司で用いた古色仕上げ 5.  付録、参考文献
2. 神楽岡工作公司で用いた古色仕上げ法

 ベンガラ+松煙+柿渋
 松煙
 松煙+茶粉
 柿渋
 トーチランプ焼仕上げ
 鉛丹+ベンガラ+亜麻仁油
 松煙+群青+亜麻仁油


■ ベンガラ+松煙+柿渋 @ 繭.mayu


・色調:

ほのかに赤味がかった黒色。赤味の量はベンガラの質と量による。塗った直後は黒っぽいが、塗料が乾くにつれ赤味が発色してくる。柿渋を混合すると赤味の鮮やかさが減ずる。

・配合:

(0)材料:ベンガラ、松煙、柿渋、水、アルコール(※1)
(1)まず松煙大さじ30杯をアルコール少量でどろどろになるまで溶く。
(2)水を約0.5リットル加えた後、ベンガラ大さじ20杯をよくかき混ぜながら混合する。
(3)さらに水を約0.5リットル、柿渋を約0.3リットル加えよく撹拌する。

※上記の分量は塗料約1.5リットル分をつくるための量。

・塗装法:

(0)木の材質により発色・濃淡に違いがあるため、まず端材などに試し塗りをして、塗料の濃度を微調整をする必要がある(※2)。吸い込みが強い材の場合は、初めに水拭きをして適度に水分を吸わせると塗料の伸びがよくなる。

(1)腰の強い刷毛で、よくしごきながら塗りつける。刷毛に塗料を付ける際には、毎回よくかき混ぜる。ベンガラは底に沈殿しやすいため、色ムラが生じるからである。

(2)表面が乾きかけた頃を見計らって、布片などで余分に付いた塗料を拭き取る。この拭き取り作業のタイミングと徹底が、仕上がりを大きく左右する。早すぎると色が薄く、遅ければ濃く、色ムラが生じやすい。拭き残し部分には乾燥後にベンガラが突出して浮き出てくるので、細部まで徹底して吹き上げる必要がある。適当なタイミングは材により異なるため、あらかじめ実験を行い確認するべきである。木目を生かすために、必ず木目の方向に沿って拭き取る。

(3)吸い込みの弱い材の場合、あるいは人の手が触れやすい場所(塗料の落ちやすい場所)については、同様の作業を繰り返し行う。乾燥までの時間は2時間程度である。

(4)乾燥後も手でこすると塗料が付着する場合や外部の材には、塗装面を保護するために柿渋を数回塗布する。

■ 註

※1:

アルコール類=酒類であれば何でもよいが、溶けやすさ及び価格の点で日本酒が適している。ワインも安価であるが、赤ワインを使用する際には、塗料の色が薄い場合に渋が浮き出てくるので注意が必要。

※2:

一般的に杉や古材など目の粗い材やよく乾燥した材は、塗料の吸い込みが強く濃い色になる。新材や湿った材はその逆である。松などの油分の多い木は、塗料をはじくことがある。



■ 松煙 @ 繭.mayu


・色調:

黒。松煙を濃くすれば真っ黒であり、薄ければ透明な薄墨色。

・配合:

木材が日射を浴びて褪色した風合いを出すために、ごく薄い配合とした。

(0)材料:松煙、水、アルコール(※1)
(1)松煙をアルコール少量で溶き、水で適当な濃度に希釈する。

・塗装法:

刷毛または布に染み込ませ塗布し、乾いた布片で拭き取る。

※材の表面が粗いものに薄い塗料を使うと、大きな色ムラが生じるため注意。



■ 松煙+茶粉 @ 繭.mayu


準備中




■ 柿渋 @ 繭.mayu


・色調:

塗布・乾燥直後はごく薄い茶色、日光(紫外線)にあたるほど濃い褐色に発色する。透明度が高く木目が透けて見えるのが特徴。

・塗装法:

(0)最初から厚塗りをすると剥離し易いので、薄めの柿渋で数回に分けて塗布・乾燥を繰り返す。

(1)木材を少し湿らせてから、刷毛を使って塗布した後、布地で雑巾がけのようにして擦り込む。1回目は、粘度の低いものを塗って良く染み込ませ、2回目以降に少し濃いめのものを使う(濃度にもよるが概ね1リットルで約10F塗れる)。

(2)必要に応じて、3〜6回ほど塗布と自然乾燥(4〜5時間程度)を繰り返す。

※薄めたい場合は軟水(水道水の汲み置き)を使う。水道水そのままでも良いが、
井戸水など鉱物が混ざっている水は適さない。




■ トーチランプ焼仕上げ @ 繭.mayu


準備中




■ 鉛丹+ベンガラ+亜麻仁油 @ BAR たかはし


準備中




■ 松煙+群青+亜麻仁油 @ BAR 和知


準備中


What's NEW/JOURNAL/WORKs/PROJECTs/REPORTs/FELLOWs/LINK/BBS/SITE MAP
■