神楽岡工作公司
花の美術館
1.  概要 2.  構成 3.  構造・内装
■ 構造計画


RC壁構造、木造架構、スチール製フラットルーフという三要素によるハイブリッド構造を提案する。

RC壁構造部分は地下の土圧、水圧に対抗する建物の基礎部分であり、地震時に展示室の屋根に生じる横応力を地面に伝達する役割も果たす。そのため木造架構部分は、土と植栽の載る屋根を支えるが、垂直応力だけしか負担しない。屋根面のスチール製スラブはハニカム・サンドイッチ構造による軽量で曲げ剛性の高いフラットルーフであり、その上に植栽が施される。

地下建築物の一種である竪穴式住居もまた土の基礎(床、壁)、木の架構(柱、梁)、カヤの屋根の三つの要素で構成されている(模式図参照)。竪穴式住居では室内は年間を通じて室温の変動が小さく、掘立柱等の木の架構と屋根に葺いたカヤの調湿機能で一年を通じ快適な居住環境が保たれていた。カヤの上に土を載せ、草を繁茂させる「芝棟」も広く行われていた。


竪穴式住居

花の美術館

本計画ではこのハイブリッド構造を、地下空間において快適な居住環境を得るための一つの解と位置づけている。

*地下部分を掘った際の残土は廃棄せず、周辺の地形が建物を包み込むように造成される。




構造ダイアグラム


■ 内装計画

床面積の大部分が地下にあるため,湿気対策として内装は調湿性に富む土質ならびに木質材料(特に杉)を主体に行う。
板材等は周辺地域の山林で伐採した材を,土も基礎工事によって掘り出される粘土質の土を採取するなど,地場の材料、技術を徹底的に使用することで地場産業の振興に寄与することも意図している。
土を使用した仕上げは、床は土と石灰と砂利を配合して固める三和土(タタキ)工法,壁は土と石灰とスサを配合した材料であるハンダを用いて多様な表現を試みる。




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