神楽岡工作公司
誇大妄想建築
1.  誇大妄想建築 4.  HOUSE
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HOUSE
独裁者は民衆に訴えた。人類は狩猟社会から農耕社会へと移行することによって人口を増やし、文化を発展させてきた。しかし現在、人口は飽和状態に達し、世界は経済のシステムに支配されてしまっている。我々が未来を勝ち取るためには、農耕民を抹殺し、強い者だけが生き残ってゆく狩猟社会を実現するほか無い。熱狂的な民衆の支持に支えられ、彼は帝国の独裁者として君臨するようになった。ローマ帝国の偉大な遺産であるパンテオン、それと同じ43mのドームが連続するこの大空間は独裁者の宮殿として建設された。パンテオンを凌駕するこのHOUSEを建設することで、彼の帝国がローマを超える大帝国であることを証明したのである。HOUSE内部は贅を尽くした歴史上の宮殿とは対照的に静寂が支配する空虚な空間であり、彼と、彼を狙う暗殺者との戦いの場でもあった。

かつての独裁者の宮殿は帝国が滅んだ後、長らく廃墟と化していた。あるとき貧しい移民の一団が不法占拠し始めたのをきっかけに、人々がどっと彼らの住居を建設し始めた。当初は平屋のバラックが建て込むだけの空間だったが、平面的に拡張し尽くすと、徐々に建物が高層化を始める。不動産業者が土地を買い上げ、鉄筋コンクリート造の集合住宅が建設される。鉄道が敷かれ、マーケットができ、都市の様相を呈し始めた。実際のところHOUSE内部は、夏は暑くて湿気がこもり、冬は底冷えのする寒さで決して住みやすい場所ではない。過密居住と工場の操業による環境汚染も深刻である。しかしこの街は相変わらず元気で、建設への意欲も止むところを知らない。




PERSPECTIVE 592×420mm



PLAN+SECTION 1:1000 592×420mm



ROOF PLAN+ELEVATION 1:1000 592×420mm



SECTION 1:200 792×1118mm



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